Yufu Blog

ピアニスト、伴奏者、ピアノ講師をしています。 桐朋→ Manhattan School of Music(NY)卒業

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ピアニスト・ピアノ講師の Yufu のブログです♪

11月に読了した本:5冊

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11月は、【小説を読もう】月間でした。

小説って、最近あんまり読んでいないのでね。あんまり読まなすぎるのもどうなのよ、と思って。というか逆に、小説を読まないなら何を読んでるんだろうという気もするのですが。自分が何を読んでるのかは、自分でもよくわからない。


テーマの割に結果がどうも伴っていないようですが、そこは軽く流してくださいませ。笑
そして、相変わらずネタバレ注意です。


綿矢りさ『勝手にふるえてろ

恋愛、しないとダメですか?
賞味期限切れの片思いと好きでもない現実の彼氏。どっちもほしい、どっちも欲しくない。
26歳、恋愛経験ゼロ。好きになった人と結婚したいと思いつめるあまり、どんどん年を取って生殖の機会を逃そうとしている。生殖促進効果のはずの恋が、逆に子孫繁栄を阻害している。

綿矢りささんの作品は、敬愛するフォロワーさんが大分前から絶賛していたのですが、一作も読んだことがなくて、でも本当に気になってはいたので読みたいタイトルだけは溜まっている……どれを読もう……と考えて本棚の前に立ち、上記の帯文を読んだとき、「え??なにこれわたし??? これ今読んどかんないけんやつなんやないん」と勝手にシンパシーを感じ、「君に決めたアアアア!!!」という勢いでチェックインしました。*1


いやー、面白かった。

勝手に抱いてたイメージと違ってものすごく読みやすい文章で、さくさく、そしてにやにやと読んでしまった。にやにやする文章ですね。笑える。


普段はあんまり本を読まないけど、ブログを読むのは好き」っていうような、若い女子たちに勧めたいです。
そういう人でも読めると思う(・ω・)

届きますか、届きません。

私は、書き出しから、もう好きだった。

私には彼氏が二人いる──中学時代からの不毛な片思いの相手と、何とも思ってないのに突然告白してきた暑苦しい同期。おたく系女子の良香は“脳内片思い”と“リアル恋愛”のふたつを同時進行中。当然アタマの中では結婚も意識する。しかし戸惑いと葛藤の連続で……

一応これがあらすじなんだけど、この作品にあらすじを求めてはいけないと思う。
あらすじ読みするタイプの方は、ここでグッバイ・さよなら。君は東野圭吾の『容疑者Xの献身』でも読んでいてくれ。そっちの方が劇的。


私は、主人公の趣味ーーインターネットのウィキペディアで絶滅危惧種について調べることーーが好きでした。なんかよくわかんないけど、友達になれそう。だから表紙にドードー鳥が描いてあったんだね。(単行本で読んだので)


▲単行本の表紙

気が合えば合うほど、二人の間の永遠に縮まらない距離が浮きぼりになる。気が合う、だからなに?ふつうよりちょっとだけ距離の近い平行線、なんの火花も散らなければ、なんの化学変化も起こらない。

これ、ビシビシ来る人もいるんだろうけど、経験の少ない私としては、「そうかなぁ?」と思ったり。まぁ、好きになる人は趣味が同じで無くても構わない、寧ろ違う方が上手くやれるのかもかなあとは最近思うけれど。


物語に大きな起伏は特にないんだけれど、女の人の内面を描くのが上手な作家さんだなあという印象を持ちました。

多分、男の人からしたら「え、今何か悪いこと言った? 何でそんな反応になる?」って思うこともあると思うんだけど、女の人の思考回路というか、感じ方ってこうだわっていうのがしっかり描かれてる。
端からは何も起こっていないように見えても、心の内側では色んなことが渦巻いて、突き落とされて、落ち込んだり、煮え繰り返ったり。ごちゃごちゃしてんのよね。

映画ーー特に洋画でもたまにないですか? 「え、今何でこのひと怒ったの?」「何故喧嘩になった?」みたいなとき。
理屈であまり説明付かないような感情の動き方というか。そのへんがリアルでした。


だから、きっと女の人が読めば「あーわかる、あるよね こういうこと…」ってなるかもしれないけれど、男の人がこれを読んでどう感じるかっていうのは、逆に興味がありますね。


イチとの思い出もいちいち好きだったなあ。運動会での出来事とか、私もきっと大事にし続けると思う。


結末は「そう来る?!」って感じで、私としては拍子抜けでした。新海誠さんの『言の葉の庭』と同じ感覚だった。開始から引き込まれて、「面白い面白い!これ好き!」って熱量上げられて見ていたら、最後で「アレッ?」みたいな。私は、結末はあんまり好きじゃなかった。


そのせいなのか、久しぶりに小説を読んだせいか、読後は「小説の楽しみ方って何だっけ?」と思ってしまった。「私は小説に何を求めていたんだったかな?」と戸惑いがちょっと生まれた。


この作品についての作者のインタビューがインターネット上にあったので読みました。そういえば京都の御出身なので、方言が出てますね。
わたしが面白いなあと思った部分を引用します。
http://hon.bunshun.jp/articles/-/105

学生の頃に読んだ本や漫画には、「自分の気持ちに嘘をつくな」などと書かれていて、「正直」がいいと思っていましたが、大人になると、考えを曲げざるを得ない場面が訪れる。

数字とか、社会的なこととか、以前はもう少し偏りがなかったのが、この九年でだいぶ偏りました(笑)。世の中の変化については、凄い自然志向になりましたよね。九年前はお肉やファストフードがよしとされ、もっとパワフルやった気がします。今は五穀米とか、いいとこの野菜とか(笑)、バランスを考え始めているのかもしれない。はみ出していくパワーより、均一に五角形を作るみたいな感じが風潮としてあると思います。』


ニナ・ウェグナー『バラク・オバマ・ストーリー

英語の多読にぴったりな『ラダーシリーズ』より、Level 4(使用語彙 2,000語)の作品。総単語数11,400語。


トランプ氏が次期大統領に決まったので、オバマさんが大統領の間に、と思って読みました。


英語の文章は久しぶりに読んだけど、本文は平易な文章で、すごく読みやすい。
同じ表現が何度も続けて出てくるから、生意気にも「これTOEFLのessayで書いちゃったら点数取れないパターンのやつだな」と思ってしまいました(笑)


オバマさんの出生から大統領就任(最初の4年が終わる頃)までをサラーッと解説してくれています。アメリカの大統領選ってこんな感じなんだなあっていうのも把握出来る。先日までトランプ氏と戦っていたヒラリー・クリントンさんもチラリと登場します。
起こったことを、歴史の教科書にありそうな感じで、箇条書きのように、サラッと書いてる割に、ミシェルとのデートのシーンだけ無駄に詳しくて笑った。


巻末のオバマの演説はやはり突然生きた英語が出て来た感じ。ちょっと難しかったけど勉強になったし、アメリカの政治について考えるのに良いきっかけになった。演説に出てくる単語の方が難しいものが多いので、そちらをもっと巻末辞書に掲載しておくべきでは?


読後は、オバマさんがしてきたこと、したかったことを思いつつ、今後どうなってしまうのかなと、未来のアメリカに想いを馳せました。



宮木あや子『校閲ガール

この間紹介しちゃったので、この勢いで、と思って読みました。笑

連載小説っぽいなぁと思ってたら、本当に連載小説だった。ドラマの印象が強すぎて、ドラマと違う設定がなかなか頭に入らなかった(笑)


たとえば是永がアフロの爽やかイケメンだったり、悦子の家の一階は潰れた鯛焼き屋さんだったり、森尾とは同期で「悦子」と呼ばれる仲だったり。


ドラマでは第5話で放送した、フロイライン登紀子の話は、まるきり違った! 原作のままだと画面上、地味だから改変したのかな。
書き下ろしの第5話がなかなか好きだったけれど、最後の悦子への啓示、これが書きたくて著者はこの作品を書いたのかなあと思った。校閲の仕事って難しそうだ〜。私には無理。


シリーズもので、続編もあるみたいだから今後はどうなるかわからないけど、もしかしたら私はドラマより好きかもしれない。さくっと読めます。*2 *3



夏目漱石『私の個人主義

学習院大学での漱石先生の講義記録。


やらなければならないことを先延ばしに先延ばしにしていたら今日になってしまった、という話で、漱石先生もそんなダメ人間なところがあるのね!と親近感を持たせてからの入り。笑

意外とイギリス留学の話とかも知れた〜!ほんとは行きたくなかったんだなあ笑


なんとなく、「個人主義」って言葉が私はぴんと来なかったんだけど、要は「自分の価値観を他人に押し付けるな!よそはよそ、うちはうちや!」「お金を持っていても驕り高ぶるな!自分を見失うな!」って話なんじゃないかな、めちゃくちゃ簡単に纏めると。
私の纏め方、なんだかいちいち頭悪い感じで毎回すみません。私のブログ読めば猿でもわかる感じですね


橋本紡『半分の月がのぼる空 one day

オールカラーのビジュアルノベル。
里香と裕一の退院した時期の話。第5巻と第6巻の間のストーリーらしいんだけど、シリーズを読破したのははるか昔だし、小説も売ってしまって今は手元にないので確認しようがない(ノ∀`)


とっても良かったけどラブラブすぎて…ご馳走様でしたって感じです(笑)


裕一が里香に頼まれて初めて持って行った本が芥川龍之介の『杜子春』だったこととか、黄色い装丁の『チボー家の人々』とか、色々懐かしかった。
あと、赤福ぜんざい食べたすぎる(^q^)




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*1:特に『26歳』『恋愛、しないとダメですか?』『どんどん年を取って生殖の機会を逃そうとしている』のところね。最近、ひしひしとそれを感じてる。周りは結婚ラッシュで、一人勝ちのオセロかっていうくらい未婚者がどんどん既婚者に翻っていく中(たまに既婚者が未婚者にも翻るけど)、私は誇らしいくらい不動の独身を貫いていますからね。生殖なんてなかった(^q^)

*2:あくまでも私の感想だけど、ドラマは第4話くらいまでが面白かった。第5話からの脚本がツッコミどころ多くてあんまり好きじゃなかったなあ…残念(^q^)

*3:一般小説とライトノベルの違いって何なの???