Yufu Blog

ピアニスト、伴奏者、ピアノ講師をしています。 桐朋→ Manhattan School of Music(NY)卒業

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ピアニスト・ピアノ講師の Yufu のブログです♪

クリムト展 ウィーンと日本1900@東京都美術館

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グスタフ・クリムト


画像引用:コトバンク(クリムト)

写真もたくさん展示されてました。


  

あっ、こんな人だったんだ〜


そういえば、顔は知らなかった( ˊᵕˋ ;)笑


猫が好きで、アトリエにもたくさん猫がいたらしいけど、クリムトの絵は女の人ばっかりで、猫のイメージはないなぁ🤔🤔🤔


家族

金彫刻師の父親・エルンストと、若い頃にオペラ歌手を目指していた母親・アンナとの間に生まれたそう。
そう言われてみれば、クリムト作品には、両親の才能の要素が入っている感じがしますね。


グスタフは3人の男、4人の女からなる7人兄弟の次男でした。
エルンストとゲオルクという2人の弟がいて、どちらも芸術の才能があったようです。


子どもの頃に5歳の妹を亡くし、30歳のときに父と弟エルンスト*1を亡くします。妹の死をきっかけに、母親はうつ病、姉も精神疾患があったようです。複雑。


自分の子どもの中にも8ヶ月で亡くなった子がいるそうで、クリムトの作品にはエロス(生)だけでなく、死の香りが立ち込めているなと感じた。


女性関係

クリムトは「自分には関心がない。それよりも他人、女性に関心がある」という言葉を残しているそうで、生涯独身だった………のですが、少なくとも14人の子どもがいたそうです。

そういうのって、独身と言うのだろうか!? 思ってる独身と違う/(^o^)\
しかも「少なくとも14人」ということは、本当はもっといたかもしれないって事なんじゃないのか!?


母親の多くは、アトリエに出入りするモデルさんだったそうです/(^o^)\


生涯クリムトにとって大事だったのは、デザイナーのエミーリエ・フレーゲという女性で、手紙のやりとりをしていたようです。
「弟の妻の妹」という関係性を、私は一瞬で理解出来ず、解説を読みながら頭の中で結構考えてしまった…(笑)


印象に残った作品

レース襟をつけた少女の肖像 (1880)


画像引用:過去最大のクリムト展がついに開幕。東京都美術館の「クリムト展 ウィーンと日本 1900」でクリムトの人生を見る|美術手帖
これは同じモデルを友人フランツ・マッチュが描いたものも並べて展示してあり、見比べることが出来て面白かった!

個人的には、マッチュ(右)の方が丸い感じがして好きかも、、


17歳のエミーリエ・フレーゲの肖像 (1891)


画像引用:革新とエロス、多彩な油彩画 「クリムト展 ウィーンと日本1900」:朝日新聞デジタル

ヨーロッパの芸術家が日本の芸術、特に浮世絵などに触れて影響を受けたというのは有名な話ですが、クリムトもその1人だったようです。
この作品も、金の額縁に梅の花が描いてあります。

彼の代名詞ともいえる金箔を使った作品は、日本の金屏風から影響を受けているそう。

尾形光琳の作品を目にして、「これだ!」とか思ったのかな(^q^)笑

尾形光琳 - Wikipedia

言われてみれば、数々の作品にジャポニズムを感じられるところはあるんだけど、取り入れ方がお洒落すぎる……


赤子(ゆりかご) (1917)


クリムト最大級の作品「女の三世代」が初来日 来年4月:朝日新聞デジタル
横たわる赤ちゃんに東洋の織物が掛けてある絵。

これを観て、私が真っ先に思い出したのは、『千と千尋の神隠し』の坊です。湯婆婆が真っ青になって、「坊〜〜!!!」と叫び、クッションやなんかを掻き分けて我が子を探していたのが懐かしい。


鬼火 (1903)


「鬼火」と言えば、よく音楽でも題材として取り上げられるけど、狐火のような、こういうポッとしたイメージなんだなぁっていうのがとても印象深い。

超絶技巧練習曲集 S.139 第5番 変ロ長調《鬼火》

超絶技巧練習曲集 S.139 第5番 変ロ長調《鬼火》

  • ダニール・トリフォノフ
  • クラシック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

バレエ音楽「恋は魔術師」 G.68: 鬼火の歌

バレエ音楽「恋は魔術師」 G.68: 鬼火の歌

  • Alicia Nafe, Asturias Symphony Orchestra & Maximiano Valdes
  • クラシック
  • ¥153
  • provided courtesy of iTunes



医学 (1904)


ウィーン大学講堂の天井画を任されたクリムトは、《医学》《哲学》《法学》の絵を描いた。

だけど、その絵は大胆に「負の要素」も描かれていて、大学側が期待したものと違うと批判され、クリムトは自分の絵を持ち帰り、辞退したそう。

大戦で絵は焼失してしまい、今は白黒写真しか残っていないそう。残念だなあ。


ユディトⅠ (1901)

やっぱりポスターにもなっているこの作品は目を見張るものがありました。

クリムトの「黄金様式」の時代の代表作の一つ。油彩画に初めて本物の金箔を用いた作品とされ、額縁はクリムト自身のデザインによる。
旧約聖書外典の「ユディト記」によれば、美しい未亡人ユディトは、祖国を救うために敵将ホロフェルネスの首を切り落とした。この主題は、どんな困難にも屈せぬ女性の強さを誇示するものとして絵画や彫刻に取り上げられてきた。
【公式】クリムト展 ウィーンと日本1900

まさか切り落とした男の首を手に持つ女の絵だったとは…😱
予想外にダークな内容でびっくり。

でもこの恍惚とした表情はやっぱり魅力的だし、金箔で描かれた模様も美しかった。


ベートーヴェン・フリーズ (1901-02)


日本では《第九》の名で親しまれているベートーヴェンの交響曲 第9番を描いた、全長34メートル(原寸大)に及ぶ作品『ベートーヴェン・フリーズ』を観られたのは感動的でした。

《ベートーヴェン・フリーズ》とは
1902年にクリムトが制作した壁画で、音楽家ベートーヴェンを称える展覧会「第14回分離派展」で展示されました。交響曲第9番をテーマに、黄金の甲冑で武装した騎士が幸福を求めて敵に向かい、楽園にたどり着くまでの旅路が絵巻物のように展開します。輝きのなかに歓喜を表現したフリーズは、まさに「黄金様式」の時代を代表する傑作です。
【公式】クリムト展 ウィーンと日本1900


ストーリーは左から順番に、以下の三部構成で描かれています。

① 幸福への憧れ
② 敵対する力
③ 歓喜の歌
稲垣 吾郎氏がナビゲーションの音声ガイド(550円)を聴くと、ベートーヴェンの第九の音楽と共に鑑賞出来るのでオススメ!


個人的には、解説なしで音楽だけ入れてるトラックもあればもっと良かったな〜と思ったりもしましたが。


この絵がジャケットのCDもグッズショップで販売されていました! おっしゃれ〜


番外編:ベートーヴェン (マックス・クリンガー, 1885)


画像引用:マックス・クリンガー - Wikipedia
クリムトの作品ではないけれど、マックス・クリンガーのベートーヴェンの彫刻作品。

ベートーヴェン好きとしては無視できないんだけど、彼は実際にこんな身体つきだったのだろうか?


観られなかった作品

人生は戦いなり(黄金の騎士)

思い出のラフマニノフの楽譜の表紙だから、本物を是非鑑賞したかったけど、豊田会場でしか見られないらしい。残念il||li(つд-。)il||li

いつか観れたらいいな。


気になった女性

アルマ・マーラー


ここは、エミーリエを挙げるべきなんだろうけど、私が気になった女性は、作曲家マーラーの妻だったアルマさんです。

アルマさんの初恋はグスタフ・クリムト氏だったそうだけど、結婚したのはグスタフ・マーラー氏だったようですね。ややこしや。
登場人物がいちいち著名人って、どういうことだってばよ。男性の才能に惚れ込むタイプだったのかもね。

21才の時にマーラーと結婚し、約10年後に未亡人となるも、肖像画を描いてくれた画家ココシュカと再婚

…するんだけど、3年で別れ、ココシュカが第二次世界大戦で出征している間に、マーラーとの頃から不倫関係にあったグロピウスと再婚し、娘マノンを授かったらしい。ココシュカが不憫でならない。


ちなみに、マノンちゃんは虚弱で亡くなってしまったそうだが、その子を可愛がったのが作曲家アルバン・ベルクであり、彼女の死後に『ある天使の追想に』の献辞を付したヴァイオリン協奏曲を作曲したそうだ。
…ってそれ!!!弾いたことある!!!!!


まさに今月一緒にコンサートするJURIさんと学生時代に実技試験で演りました。うーわー。*2

Violin Concerto: I. Andante - Scherzo

Violin Concerto: I. Andante - Scherzo

  • ティミトリ・ミトロプーロス, ヨゼフ・シゲティ & NBC交響楽団
  • クラシック
  • provided courtesy of iTunes

まさかマノンちゃんが、マーラーの妻だった女性の子どもだったとは。(ややこしい)
長年の時を経てようやく繋がりました😱😱😱


更にグロピウスとの関係が破綻した後、作家のヴェルフェルと再婚し、ニューヨークに亡命して85歳の生涯を閉じたらしい。
ちょっともう人生が濃すぎて意味わからん!!!!


自伝読みたすぎる。


まとめ的な感想

最後、アルマさんについて語り過ぎましたが、クリムトの人生に触れられる展覧会でした。


行く前は、「明るいキラキラした絵が沢山見られるのかな〜♡」なんて思ってましたが、実際行ってみると結構ダークでした。

女性の絵も官能的ではあるんだけど、唆られるようなエロさはなくて、それもまた不思議な感じ。
それは、常に死の気配が漂っていたからかなぁという気がします。


個人的には、クリムトから音楽的な素養を見つけられたこと、ジャポニズムの影響を知ることが出来たことが大きな収穫です。


東京での公開は7/10までと残り少ないですが、ぜひ行ってみてください(((o(*゚▽゚*)o)))
事前知識があると、もっと楽しめると思います!



★★★ 演奏会情報 ★★★

2019/7/14(日) 14:00〜
入場無料 西東京教会

歌とピアノのコンサートを開催します。
チケットはありませんが、お越しの際はご連絡頂けますと、私が喜びます(笑)
お誘い合わせの上、お気軽にお越しください♪

⇨詳細はこちらをご覧ください☺︎⇦



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*1:父も弟も、名前が同じ「エルンスト」なので、個人的に鑑賞しながら混乱が巻き起こりました。

*2:米国留学して伴奏科も受講し、レッスンを受けたとき、先生に今まで演ったプログラムを聞かれ、「ベルクのバイオリン協奏曲」を答えたら「何で?」って問われた思い出。伴奏科の先生に「何で?」と聞かれるくらい、あまり演奏機会がない曲目なのかもしれない(笑)