Yufu Blog

ピアニスト、伴奏者、ピアノ講師をしています。 桐朋→ Manhattan School of Music(NY)卒業

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ピアニスト・ピアノ講師の Yufu のブログです♪

教育関連のワークショップに参加しました

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先週末、教育関連のワークショップに参加してきました。


何のワークショップなのか、具体的な名前を本当は書こうと思ってたんですけど、権威な先生方の御目に留まりたくないかも…という姑息な思いから、あえて何のワークショップなのかは伏せておきます。
まぁ、内容を見たらわかる人にはわかると思いますが、わかってもオフレコでお願いします。笑



本当は具体名を出したほうが検索に引っかかって、勉強してる人たちの役に立つのはわかってるんだが、諸事情により勇気がないのでしばらくleave meしてください!
いつか勇気が出たら、ひっそりと更新しておきます!!笑




概要

あまり隠しても意味が分からないと思うので、よくある「5W1H」で、どんなワークショップなのか簡単に記してみます。

What: 何のワークショップ?

教育関連のワークショップ。
最近「グローバルな人材を!」などとよく聞きますが、グローバルな国際教育というものを学ぼう、という勉強会ですね。

When: どこで?

都内の某大学ですが、私の自宅からですと、電車だけで片道2時間掛かる場所でした。
ワークショップのスタート時間を考えると、毎日午前6時前には家を出なくては…という距離だったので、ビジネスホテルに連泊して参加しました。

ただでさえ狭い部屋なんだから、無駄な机と椅子なんて置くのやめてよ、とぶーぶー文句言いつつの、久々のお一人さまお泊まりいえーい。

Who: どんな人が参加するの?

教育に携わるひとが参加してます。
幼稚園から小学校までの現役の先生ばかりで、いちピアノ講師の自分は felt a little out of place(アウェイ!!!)でした。笑

Why: どうして?

結局、その教育プログラムはまだ日本では新しく、浸透していないので、日本に普及させるために海外から先生が来てくださって、色々と教えてくださるんですね。
自分は来年度からのお仕事に必要になってくるので参加しました。

How: どのような内容?

研修期間は三日間で、1回90分のセッションを1日4回、朝から夕方までみっちりとスケジュールが組まれていました。
休憩時間も一応あるのですが、結局参加者の先生方と教育についておしゃべりしてたりするので、あんまり「休んでる!」って感じでもないんですよね。めちゃくちゃ勉強になるけど。笑

ワークショップ自体は実際の授業の方法に乗っ取りながら、グローバルな教育プログラムの概要を教えてくださいました。
「How」の項目がいちばん重要と思うので、ここからは内容について触れていきたいと思います。



理想的な学習者像

いろいろな意見があったのですが、私の中で特に印象に残ったふたつについて取り上げたいと思います。

コミュニケーションするひと


日本人は割と弱いスキルだと思うのですが、自分の意見を発言して、相手の意見も聞ける人であれということ。


ちなみに、私はこの「コミュニケーション」というのが本当に苦手。
昔から一人で黙々と何かするのは好きだし得意なのですが、他人と何かしろと言われると「何で?」となってしまう。笑



アメリカに留学してたときに、ある授業の先生が「僕はアメリカスタイルの授業が好きだ!だから、僕はこのクラスをアメリカスタイルにしたい。皆が自分の意見をどんどん言うスタイルだ。ここは中国か?韓国か? 違う、アメリカだ! 皆、自由に発言しなさい!」と熱く語っていた先生がいらっしゃいました。熱すぎて生徒がちょっと引いてた(笑)
要は受け身でなく積極的に授業に参加しろ、そこから学べってことかなと思ってます。


コミュニケーションの話でちょっと思い出したんだけど、そういうコミュニケーションスキルの大切さを謳った本って本屋さんに行っても本当にたくさんあって、先月あたりちょっとだけ読んだパックンの本ですごく印象に残っていることがあって、日本の教室では「静かに」ということがよく言われていて、びっくりしたし少し悲しくなった、みたいなことが書いてあったんです。
アメリカでは皆コミュニケーションを取ってるけど、意外と私語でなく、きちんと関連したことについて話してる…とか。うろ覚えの記憶なので、もし違ってたらすみません。

実際このワークショップでもコミュニケーションをとにかく大事にしていて、ひたすらペアワーク・グループワークの繰り返しでした。

それらを体験して私が感じたことは「確かに他人と話していると問題が明確になってくる気がするし、印象に残りやすい」ということでした。

私の持論(?)に

  • 良いことや腹が立ったこと、愚痴、面白かったことなど、誰かに話したくなることは記憶に残りやすい。
  • 頭の中でただ考えてるよりも、五感を使った方が記憶に定着しやすい。(手足の動き、話す、聞くなど)

というのがあるので、「コミュニケーションの中で学習する」というのは確かに一理あるかなと思います。


ただ、私のように口下手だったりすると会話のテンポや方向性について行けなくて、言いたいことも言えないこんな世の中じゃポイズンな事態になってしまう子も出てくるんじゃないかなーと思います。

コミュニケーションスキルというのは、社会で必要になるものなので、その社会的スキルを学校の中で積極的に鍛えられるっていうのはある意味、有り難いのかもしれないですね。


コミュニケーションというのは発言すればいいっていうんじゃなくて、相手の意見を聞くこと、他人との違いを受け入れられることも大事だ、ということで。
これ、すっごく大事なことですね。喧嘩とか戦争とか、こういったところから生まれるんじゃないかなと思うので。

自己の個性の発展を仕遂しとげようと思うならば、同時に他人の個性も尊重しなければならない

前にも御紹介しましたが、他者を尊重することの重要性については、漱石先生が『私の個人主義』で面白く講義してくださってるので、「皆黙って漱石先生を読みなさい!」と思います。笑



探究するひと


©️3lian.com
もうひとつ、私の印象に残ったのが「探究するひと」


「探究」って何かなーと考えたとき、
私の考えた定義は「(好奇心を持って)ひとつの物事をいろんな側面から見たりして、理解を深めていくこと」かなと思いました。


好奇心を括弧で閉じたのは、興味がないことでも、やっていく内に楽しくなったりするものだよなと思ったから。笑



世の中、好奇心を持つ人間ばかりなわけじゃないでしょ。


私、この歳までピアノやってきたけど、別にそれは「小さいときからピアノが大好きだったから♡」とかじゃないよ。

むしろ練習なんか今でも嫌いだし、練習しなくていいんなら練習したくないです。笑



じゃあ何で続けてこられたかっていうと、

  1. 自分の弾きたいように弾けたときが気持ち良い
  2. 自分のピアノを好きでいてくれる人がいる
  3. ピアノが自分のアイデンティティを作ってくれている

恐らくこの3つが、自分にとって大きな要素かなと思います。



まぁそんなことはどうでも良いのですが、他のものでも学生時代はそこまで自分が興味がなかったのに大人になってから好きになったものがあって、
それは例えば歴史とか、万葉集とか。


よく「学生時代にもうちょっと勉強しておけばよかったー!」ということありますよね。
でも、一応知ってはいるから、布石になってるんですよね。
そういう意味で、満遍なく色々教えてくれた学校って、有り難かったなと私は思ってます。




探究してる職業とは

社会で探究してる人たちについて考えてみると、俳優や監督、作家、研究者、お医者さん、弁護士、教師、音楽家、芸術家、お坊さん、政治家、酪農家などなど……
どんな職業の人も、それぞれに特定の分野を《究めて》いて、それって「探究」してることになるよねーと話しました。


絵本を出版してる方が同じグループ内にいたので、探究してる人たちを絵に描いて表してみました。
私しか顔が写ってないので載せても大丈夫かなーと思いつつ、、、こんな感じです。
あんまりよく見えないのが残念! 拡大して見てください。笑

世界中のたくさんの人種、職業の人たち、動物も含めて、みんなみんな生きているんだ〜♪ の図。笑



大事なことはすべてピアノが教えてくれた

「探究」とか「コミュニケーション」とか、はたまた「挑戦すること」とか、そういったものについて考えたとき、HTML「なんだ! ピアノと一緒じゃん」と思ったんですね。

ちょっと具体例を挙げて、説明してみます。


長くなるので適当にスキップしてください。笑


探究

色々な側面から物事を見るってことは、ピアノでいつもしてます。

クラシック音楽は、古い作品が多い。

たとえばバッハなら1710年の生まれ、ベートーヴェンは1770年。
同じ時代を生きていても、日本と彼らヨーロッパの環境はまったく違うことは予想出来る。


✳︎ ピアノを弾くときに私が考えていること

時代背景、作曲家の状況や心情などを考える
HTML★ 本やwebなどでリサーチする
▶︎どんな時代だったのか

▶︎作曲家はどんな性格でどんな顔、どんな風に育って、どんなものが好きだったか

▶︎当時はどんな楽器が使われていたか
…当時のピアノは現在のピアノと音も鍵盤の数も見た目も、まったく違った
→では、それを現在のピアノでどんな風に表現する?
▷当時の演奏になるべく近づける or 現在のピアノの持ち味を活かして現代風に演奏する
▷強弱はどのくらい表現する?
…楽譜に書いてない場合は? 同じ時代でも作曲家によって表現が変わるかもしれない
▷ペダルはどのくらい踏むか etc.

▶︎どんな街で作曲した? そこは作曲家の母国?気候は?
▶︎作曲家の健康や精神の状況はどうだったか
ex: 療養のために滞在していた旅行先で作曲した etc.

▶︎どんな言葉が使われていたか
▶︎どんな気持ちで作曲したか
▶︎誰に献呈された作品か
▶︎当時の流行りは何だったか

楽譜を読む
▶︎作曲家は、何を意図してそれを書いたのか
▶︎どんな形式で書かれているか
▶︎何を表現しているのか
▶︎作曲家が挑戦したこと・伝えたいことは何か
▶︎何故この曲が作曲されたのか
▶︎隠されたメッセージなど
▶︎効果的に演奏するには etc.

演奏する
▶︎どんなふうに演奏したい? 他の楽器で演奏するとしたら?
▶︎写真や映像を見てイメージを膨らませる
▶︎どんな風に弾きたいか歌ってみる
▶︎自分で弾いている音を自身で聴けているか
▶︎一口に「強弱」と言っても色んな表現がある
ex:「小さい声」ってどんな声? 蟻さんの内緒話? くまさんの小さい声はどうかな? 声を出す人によって声の大きさも変わる
▶︎体や筋肉の使い方
▶︎呼吸の仕方
▶︎他の演奏家はどんな風に弾いてるか etc.

箇条書きなのでわかりにくいと思いますが、ざっと思いついただけでもこんなにたくさん。
考えることは山ほどあると思います。

演奏は、色んなことを楽譜から読み取って表現することなので、ただ音楽理論についてだけでなく、歴史や背景、曲の構造など、色んなことを総合して考えないと出来ません。

そういう意味で、「探究」は「演奏」するために必要不可欠な要素だと思います。


コミュニケーション

演奏すること、人に聴いてもらうことはコミュニケーションになる。
音楽は言葉を使わないので(歌詞のある歌は別だけれど)、その分ダイレクトに人の心に響くし、想いをシェア出来る。


挑戦

  • さまざまな表現方法を考え、取り入れる
  • コンクールなどに積極的に取り組むこと
  • 守りに入らず果敢に表現していくこと



こういう話をしたら、音楽を全然知らない学校の先生方には意外と面白がっていただいて、「へぇ〜、ただ楽譜通りに弾くだけじゃないんですね」と言われたりしました。当たり前じゃ!笑

逆に、周りから音楽っていうものはそんな風に見られてるんですね。音楽の世界に浸かりすぎて、一般の方々からどう見られてるのかなんて全然気にしたことなかったな。

私なんぞの話を面白がって聞いてくださる先生方もたくさんいたので、ちょっと嬉しかったです。
そんなことを面白がったり、珍しがったりしてもらえるのか! と、いろいろ勉強になりました。笑



さいごに

自分のまとめ方が上手くないので申し訳ないですが、
三日間を終えての感想として私が一番感じたのは、「ピアノを勉強してて本当に良かったな」という、自身の人生のリフレクションでした。笑


ピアノを弾くために、学習に必要な要素は自然に行ってたし、ワークショップ参加前は、新しい教育方法だと思って構えていたけど、根本的な考え方は既に知ってたんだなと思いました。
浅はかな私の考えでは。笑



だからフィギュアスケーターとかプロ野球選手とか、画家でも役者でも
ひとつのことを究めたことのある探究者なら、このラーニングプロセスって、皆経験のあることだと思う。
意外と、自然にやってるから意識してなかったことかも。



こうやってプロセスを意識・認識して、考えるきっかけを与えてもらったのはとても有意義で楽しいことでした!
これから指導するときに活かせるように、今回得たアイデア、これから得るアイデアをどんどん自分の中にストックしていきたいと思います(◍′◡‵◍)✨


色々な先生方ともお知り合いになれて、たくさん刺激をいただいた三日間でした(゜∀゜)


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