Yufu Blog

ピアニスト、伴奏者、ピアノ講師をしています。 桐朋→ Manhattan School of Music(NY)卒業

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ピアニスト・ピアノ講師の Yufu のブログです♪

10月 読了した本:3冊

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もう今年もあと二ヶ月だなんて信じられないです。


ずっと気になっていたブログの見出しを、PC・スマホ共にカスタマイズし直しました。
少しは見やすくなったでしょうか。。?⁝(ृ `ᾥ ´  )ु⁝


見やすくするためにカスタマイズしたつもりだけど、こういうのって結局、いつも自己満足で終わってしまうのよね。



山崎ナオコーラ『論理と感性は相反しない』

神田川歩美、矢野マユミズ、真野秀雄、アンモナイト、宇宙、埼玉、ボルヘス、武藤くん。神田川(24歳、会社員)と矢野(28歳、小説家)の2人を中心に、登場人物がオーバーラップする小説集。「小説」の可能性を無限に拡げる全15編。
【「BOOK」データベースの商品解説】

各短編は、繋がっていないようで、実は繋がっていたりする。
出版される前提もなく、好きなように書いた書き下ろしだそう。


私自身は「好き!」と思いながら読み終わった。
神田川と真野のやり取りも好きだったし、「アンチポデス(自分の反対側の存在)」という概念、化石、また、音楽をやっている私としては、「小説」と「現代音楽」の関係性も、とても興味深いテーマだった。


御本人曰く、今作は「素敵な短編集」だそうだけれど、「不思議な短編集」でもあったと感じた。



時々、芥川賞っぽいなって感じる表現も出てくるんだけど、文学賞とか文藝賞とかって、どうなんだろう。
御本人は、賞が欲しくて書いてるんじゃなくて、書きたいことを書いてるだけで、でも賞を取ると注目されて本が売れるから、賞は欲しい、というようなことを書かれていて、彼女の真正直な感じが私は好き。
ピアノも同じだよなあ。賞を取るための音楽を作ってるわけじゃない、自分が求める音楽が欲しい、でもそれが賞に繋がると最高、みたいな。私の甘っちょろい考え(^ω^三^ω^)

ちょっと話違うけど、学生時代、バイトについて、従姉が「お金が欲しいんじゃないんだよね、経験が大事」と語っていたので、「じゃあ私は経験しなくていいので、お金だけくださいw」と茶化したら、むっとされたのを思い出した。だってお金欲しくないって言ったじゃんよー!



登場人物の一人である小説家の「矢野マユミズ」さんは、どうも著者と被らせながら読んでしまった。
小説家は小説で食べていかなくてはいけなくて、生きること、生活や人間関係(恋愛を含む)が、ただそれそのものとして感じられないというか、仕事の肥やしにしてしまう・なってしまう…というのは、なんだかわかるなと思った。

私は小説家じゃないけど、音楽をやっているから、少し共感出来る。それは自分の専門が、思っている以上に自分の生活に根づいている、ということなのかもしれない。

一対一で打ち合わせをしてくれている編集者さんも、会社に帰れば、編集長だの部長だのに相談できる。でも、作家は、家に帰ったら、ひとりぼっちなんだ。ひとりぼっちで、誹謗中傷の嵐の中を歩くわけだから、気が強くなる。強くないと、やってられない。
あとがき(p.225)より

私はこの時の著者とほとんど同じ、30歳手前という年齢で、
仕事も似たような感じ──会社に属している相手とひとりぼっちで戦って、喧嘩して、出来たら協力し合って助け合いたいんだけど、でも主に喧嘩したりするから、私にとってこの作品は刺さることが多かったです。


仕事をしている独身アラサー女性にオススメの一冊💁‍♀️💖
皆で生き抜こうぜ。



本多孝好『dele』

【あなたの死後、不要となるデータを削除いたします。】罪の証。不貞の写真。隠し続けた真実。『dele.LIFE』で働く圭司と祐太郎の仕事は、秘密のデータを消すだけーーのはずだった。あなたの記憶に刻まれる、〈生〉と〈死〉、〈記憶〉と〈記録〉をめぐる連作ミステリ!
『dele.LIFE(ディーリー・ドット・ライフ)』。真柴祐太郎がその殺風景な事務所に足を踏み入れたのは、三ヶ月ほど前のことだった。所長であり唯一の所員でもある坂上圭司いわく、「死後、誰にも見られたくないデータを、その人に代わってデジタルデバイスから削除(delete)する。それがうちの仕事だ」。誰かが死ぬと、この事務所の仕事が始まるのだ。新入りの祐太郎が足を使って裏を取り、所長の圭司がデータを遠隔操作で削除する。淡々と依頼を遂行する圭司のスタンスに対し、祐太郎はどこか疑問を感じていた。詐欺の証拠、異性の写真、隠し金ーー。依頼人の秘密のファイルを覗いてしまった二人は、次々と事件に巻き込まれる。この世を去った者の〈記録〉と、遺された者の〈記憶〉。そこに秘められた謎と真相、込められた切なる想いとは。『MISSING』『MOMENT』『WILL』などで「生」と「死」に直面した人々を描いてきた著者が、今だからこそ書き得た新たな代表作。≪dele=ディーリー。校正用語で「削除」の意。≫

本多孝好さんはずっと気になっていたけど、思いがけず菅田くん主演ドラマの影響で、初めて読むことになった。

うん、面白い…!

文章も読みやすかったです。


ドラマの放送前に読むべきかと思ってたけど、エピソードがまったく違ったので、ドラマを見てから読んで良かったです。一粒で二度美味しい的なね。違うか?(笑)


とにかく山田菅田コンビで脳内再生余裕でした。有難うございました(^q^)


わたしは、『ドールズ・ドリーム』でお母さんを亡くした娘さんに圭司が掛けた言葉が好きでした。圭司、見直した!笑


デジタルに溢れている現代社会で、デジタル端末やその中にあるデータも、立派な遺品だなあ、と思う。
死後に自分のスマホやPCに残るデータの処理なども、考えないといけないんだろうなあ(^ω^三^ω^)
自分だったら何を消し、何を遺すだろうか、と読後考えてしまう。

TVドラマ

ドラマも面白かったので、見ていなかった人は是非ご覧ください!

dele (ディーリー) #1

ストーリーも良かったけど、映像も映画のような素晴らしいクオリティで、久しぶりに面白いドラマだったな~。
各話の終わり方が格好良くて、いちいち好きでした。
終わり良ければ全て良し、じゃないけど、映像の編集センスが良いということなのかなあ。

【ドラマ満足度】も、かなり高かったみたいです。



小説はdele2も出ているので、機会があればまた読んでみたいと思ってます。
ドラマも、もしかしたら次回作があるのかしら(^ω^三^ω^)

【deleが見られるVODサービス】
U-NEXT
Amazonプライムビデオ
(2018年11月5日現在の情報です)




伊藤美佳『モンテッソーリ流 たった5分で「言わなくてもできる子」に変わる本』

朝のしたくを1人でできるようになる“魔法のポケット”、言わなくても子どもが片づけたくなる“しかけ”、食べこぼしを自分からしなくなる食事マット作戦…などなど。その時期のその子に合った「環境を整える」だけで、自分で考えて、自分から動ける子に変わります! どれも、たった5分でできることばかり。藤井聡太六段、ビル・ゲイツ、ドラッカーなどが幼児期に学んだとして今話題の「モンテッソーリ教育」を取り入れた家庭でできる子育てメソッド。

モンテッソーリの幼稚園に勤めていた方と知り合ったので、興味を持ち、読んでみた。

著者プロフィール

0歳から天才を育てる乳幼児親子教室「輝きベビーアカデミー」代表理事。(株)D・G・P代表取締役。
幼稚園教諭1級免許。日本モンテッソーリ協会教員免許。保育士国家資格。小学校英語教員免許。
NPO法人ハートフルコミュニケーションハートフル認定コーチ。サンタフェNLP/発達心理学協会・ICNLPプラクティショナー。日本メンタルヘルス協会認定基礎心理カウンセラー。
26年間、幼稚園・保育園で1万5000人以上の幼児を教え、9000組の親子と関わってきた。自身の子どもがモンテッソーリ教育の幼稚園ですばらしい成長を遂げたことに感銘を受け、モンテッソーリ教師の資格を取得。

感想

本には、具体的な方法が書いてあって、参考になります。

3歳までは“旬”が大切。
子どもがその能力を伸ばしたいと思えるものに出会えたとき、子どもは集中します(モンテッソーリ教育では、この旬のことを「敏感期」と呼んで大切にしています)。
出会ったそのときに伸ばさなければ、もうその能力を伸ばすことができないのです。使えるはずの能力を伸ばさないまま消滅させてしまうのは、もったいないことです。できれば3歳まで、遅くとも小学校に入るまでに、たくさんの体験をさせてあげてほしいのです。(p.99-100)

色々感じる経験をさせてあげることは、やはり大切にしてあげたい、と再認識。


一冊の内容を簡潔にまとめると、自分で出来るよう用意してあげて、あとは適度に距離を保って見守れ、ということかなと思う。 5分で出来ないこともあったけど(笑)

例えば、「朝の支度が一人で出来るようになる方法」「片付けが出来るようになる方法」などは、
どの順番で行えばいいのか、どこに何を置いたらいいのか、パッと見て明確にわかるようにすることが大切だそう。
子どもだって、自分で出来そうなことはやりたいと感じるものだから、子どもが手伝ってほしいと思っているところだけを手伝って、あとは一人でやらせると良いらしい。

他には、「熱中している時は話しかけない」「必要以上に褒めない」「子ども同士のもめごとに大人が介入しない」など、自分が普段から心掛けてることも書いてあって、おっ、モンテッソーリと同じ考えだった! と、自己肯定された気もしました👏( ˆ̑‵̮ˆ̑ )笑

感動する心は、人からの働きかけによってしか生まれません。何もしなくても、勝手に生まれてくるものではないのです。
普段からお母さんが感じたことを、そのまま言葉に出してあげてください。そこから子どもの感じる心も生まれてきます。(p.146)

わたし自身には子どもはいないけれど、
先生として、子どもたちの感受性を豊かに育めたら…と思っているので、この言葉は痺れました。

各話が簡潔にわかりやすくまとまっているので、短い時間で、すっきりと読みやすい本です。
子育てしている保護者の方々に是非読んでほしいです。



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