Yufu Blog

ピアニスト、伴奏者、ピアノ講師をしています。 桐朋→ Manhattan School of Music(NY)卒業

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ピアニスト・ピアノ講師の Yufu のブログです♪

小坂裕子『ショパン』が面白いので全力でオススメしたい

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何気なく手に取った本が超面白い

ショパン (作曲家・人と作品シリーズ)

何となく目について手に取った小坂 裕子『ショパン』がものすごく良書で面白いので全力でオススメしたい。


これは一家に一冊置いておくべき。



3つのオススメポイント

何がそんなにオススメなのか、ここからご紹介します。

① 文章が分かりやすく面白い

大体こういう学術的な書籍って、文章が難しくてとっつきにくい印象を与えがちなのですが、この本に関してはものすごく読みやすい文章です。

ショパンやクラシック音楽のことを全然知らなくても読めます。とにかく分かりやすい。

内容が細かくセクションで分かれていて、大体1ページから長くても2ページくらいで話が纏まっているので
ブログを読むような気軽さで、さらさらと読めます。

なんなら忙しい人は雑誌感覚で、「気になるこの項目だけ読もう♪」ということも出来る。


文体が読みやすいだけでなく、文章が素晴らしく、登場人物が生き生きと描かれていて、私はイギリス文学を読むような楽しい気持ちで読みました。
生涯篇は小説のようで、とにかく引き込まれます。好き。


② 大事なことだけ書いてある

ページ数がそんなに多くない代わりに、大事なことをぎゅっと凝縮して書いてくれている印象です。

だから、どのページもすごく重要なことが書いてあって、手元に置いておきたくなる。

とにかく著者がショパン研究の第一人者ということもあり、リサーチがしっかりしていて、内容も信頼出来ます。
ここに書き足りていないこともあるんだろうなぁ、と時々思わされて、興味のあることはそこから自分で更に調べていける伸びしろもある。


③ 索引が充実している


とにかくこれが便利!!


巻末に人名索引」「曲名索引、作品番号順に並べられた作品一覧*1詳細年表、カテゴリーごとの作品解説まで、内容が超充実しています。


例えば読んでるときに「あれ? これって今何歳の時の話だっけ?」と思ったら年表見ればいいし、「あの人とのエピソード読みたいな」と思ったら人名索引すれば一発検索出来る。
曲の作曲背景を知りたいときは曲名索引と年表が使える。


この索引があることによって、この一冊をより使い込める!!データベースとしてめっちゃ便利!!!


印象に残ったエピソード

《練習曲》の演奏評価

個人的には、リストがショパン作曲の《練習曲》を演奏すると勝手な解釈をするので苛立っていたのに対し、クララ・シューマン*2 の演奏は絶賛したというエピソードが興味深かったです。

やっぱりクララは素晴らしいピアニストだったんだなと実感すると共に、《練習曲》はリストに献呈された作品なのに…という思いがどうしても残りました(笑)

シューマンへの態度

あと、シューマンがショパンの曲を絶賛する批評を音楽雑誌に10枚も書いたり、自身の最高傑作である「クライスレリアーナ」を献呈するくらいショパンの熱狂的なファンなのに、ショパンはシューマンに対していつも冷たいリアクションだったというエピソードもすごいツボです(^q^)www
何でそんな鬱陶しがられてるの???www

だが、私はそんなシューマンが好きよ…!笑



感想

とにかく日本語でこれだけ分かりやすく、しかも信頼のおける内容が纏められた一冊があるということに感動したので、これは是非ともご紹介しなくては、と思いました。


この一冊で、ショパンがどんな音楽教育を受けてきたのか、どんな人物と出会い影響を受けたか、恋愛について、ツェルニー、リスト、シューマン、メンデルスゾーンといった同時代の音楽家との交流、ショパン先生のレッスンでの教え、どのような音色・タッチで演奏していたか等々、色々知ることが出来ます。



ショパンに興味のある方は必読の一冊です!!


ショパンについて、めちゃくちゃ知った気になれます(笑)


私はこの本で、小坂裕子先生のファンになったので、『フレデリック・ショパン全仕事 』『自立する女ジョルジュ・サンド』など、他の書籍も読んでみたくなりました。




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*1:ショパン作曲か疑わしいものまで纏められている!

*2:作曲家ロベルト・シューマンの妻。