Yufu Blog

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ピアニスト、伴奏者、ピアノ講師をしています。 桐朋→ Manhattan School of Music(NY)卒業

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ピアニスト・伴奏者・ピアノ講師の芦谷ゆふのブログです♪

NYでピアノが弾けなかったときの思い出

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今年度も、もうすぐ後半戦に。


早いもので、もう9月。新学期が始まりましたね!

4月から新しい年度が始まって、もうすぐ半年が経ちます。
今年度前半、皆さんはどのように過ごしましたか。


楽しいこと、嬉しいことがある反面、
新しい環境でいろいろあったかもしれない。


学生さんだったら授業が面白くないとか、クラスメートとの関係性とかにも悩むことがあるかも。


自分が学生のときは、生徒の立場からしか世界が見えていなかったけれど、教える立場になってから、
生徒さんや保護者の方々とお話したりして、
皆それぞれに、色んなことを抱えて生きているかもしれないんだなー、と思うことがあります。



学生時代、手を痛めたときの思い出


ニューヨークの大学院での一年目、頑張りすぎて手を痛めたことがありました。


ピアノのレッスンでは既に大量の曲目を渡されていて、
更に、近現代の音楽のクラスで弾かなくちゃいけない難解な曲が4曲。
しかも、私はわざわざオーディションを受けて、伴奏科の授業やレッスンも受講していたため、伴奏の曲も。*1


勉強をこなすので大変なのに、ピアノも……となり、
練習場所と時間をなんとか確保して課題をこなしていたら、ついに指を痛めて動かせなくなってしまった。

「ピアノを勉強しに来たのに、ピアノが弾けなくなるなんて…。私は何のためにニューヨークまで来たんだろう…」と落ち込んで、学校のレッスン室で一人、ぽろぽろと泣いた日もあった( ´•̥̥̥ω•̥̥̥`)



なんとか痛い部分を庇いながら練習してたんだけど、
どうしても痛くてレッスンではとても弾けそうにないので「手を痛めてしまったので、申し訳ありませんがレッスンをお休みします」と、ピアノと伴奏科の先生にメールした。

すると、伴奏科の先生から「明日、レッスン室においで。お話しましょう」とリプライが。

怒られるのでは……と緊張しながらレッスン室に行ったら、
先生は「ピアノは弾かなくていいから。どこが痛いの?見せてみなさい」と、とても心配してくださっていて。


「○○先生が良い針の病院を知っているから聞きなさい」「市販の○○という塗り薬が良いから使ってみなさい。飲み薬じゃなくて、塗り薬だからね。塗り薬ならいつでも使えるから良いでしょう? スペリングは…」など、親身に話を聞いてアドバイスをしてくださって、すごーく嬉しかった。



伴奏が専門ではない、ピアノ科の、日本人の私に優しくしてくださって、愛を感じた。



また、パートナー(バイオリニスト)のレッスンに同行したとき、彼女が手を壊してしまって本調子でない時があり、
普段厳しそうな先生が、真面目な顔で彼女に

「楽器を弾くという事だけが練習じゃないんだ。
映画を見たり、本を読んだり、美術館に行ったりすることも練習なんだよ。
今、君に必要なのはそういうことなんだ。
無理をして楽器は弾かなくていいから、心を豊かにすることを考えなさい」

というようなことを仰ってて、自分に言われたわけでもないのに、勝手にじーんとしたことがあった。笑



辛いときは特に、誰かの優しさが身にしみる。



「ピアノレッスン」の在り方


ピアノの個人レッスンは、先生と生徒さんの一対一(+保護者)でのコミュニケーションです。
クラスルームで、先生1人が生徒大勢に向かって話すよりも、関係性として深い気がするのよね。



ピアノレッスンは、ピアノの勉強をする場所です。
楽譜を読むこと、ステージに向かうこと、日頃の練習のことなどを学ぶ場所。



だけど、お互いにひとりの人間同士。

「ピアノレッスン」の在り方のひとつとして、ピアノを学ぶこととはまた別に、
日常で嫌なことがあったときなど、生徒さんにとって、
私とのレッスンはちょっとした逃げ場所だったり、心の拠り所のような───
そういうもので在ったらいいなと、この半年の間、考えるときが何度かありました。



一人で悶々と悩む必要はない。かと言って、悩みを私に打ち明ける必要もない。*2


メールやLINEでもいいの。
すぐに核心的な話をしなくてもいいの。
だけど、助けが必要なときは力になりたいし、話したいことがあるのなら何でも聞くし、味方でありたいと思っています。
生徒さんだけじゃなくて、保護者の方へも。



例えば私と同じように手を痛めて練習が出来ていないときや、精神的に落ち込んでいるときも、
お話するだけでもいいから、レッスンにおいで! という気持ちで、日々を過ごしています。



「ピアノのレッスン」という、学校の授業とは違う、特殊な関係性の中で、
自分自身が経験したように、辛いときや悲しいとき、生徒さんや保護者の方に寄り添って、心をすこし軽くしてあげられるような、
心を休められる場所、また逆に、やる気になる場所をも作れる先生でありたいと考えています(◍′◡‵◍)



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*1:しかも、パートナー探しに苦労していたため、「需要が多そうで、自分が好きな曲を…」と考えて、手にかなり負担のかかりやすいブラームスのバイオリン・ソナタを練習していた。

*2:先日、ある生徒さんと何気なく会話してたら学校の話になり、「授業はそんなに楽しくないよ」と珍しく少し顔を曇らせてぽつりとこぼしたので、「どうして?」と聞いたら、はっとしたのか、突然おちゃらけて「教えてあげないよー!」と言われた。色々あるんだなとは思ったけど、その後は楽しくレッスンした。話したくなった時にまた教えてほしいな。