Yufu Blog

ピアニスト、伴奏者、ピアノ講師をしています。 桐朋→ Manhattan School of Music(NY)卒業

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ピアニスト・ピアノ講師の Yufu のブログです♪

辻村深月『凍りのくじら』で脱・読書離れ出来た話🐋🎊

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ここ数ヶ月、漫画でさえ、本を一冊読み通す気力がなかったのですが、そろそろ本を読めるようになりたいと思い、この本を手に入れました。


辻村深月『凍りのくじら』

凍りのくじら (講談社文庫)

藤子・F・不二雄を「先生」と呼び、その作品を愛する父が失踪して5年。高校生の理帆子は、夏の図書館で「写真を撮らせてほしい」と言う1人の青年に出会う。戸惑いつつも、他とは違う内面を見せていく理帆子。そして同じ頃に始まった不思議な警告。皆が愛する素敵な“道具”が私たちを照らすとき――。(講談社文庫)

ざっくり解説すると『ドラえもん』好きな女の子が主人公の小説です。

これだけだと、どういうことだってばよ、という感じですが、実際に読んでみると、話に本当にドラえもんが絡んでいて、おお、となります(笑)



読書再開にこの本を選んだ理由

辻村作品の持つ魅力


辻村深月さんの著作は、これまでに『スロウハイツの神様』『V.T.R.』『かがみの孤城』『ナベちゃんのヨメ』を読んだことがあるのですが、
私の中では 漫画みたいにすらすら読める文章だなぁという印象*1の作家さんです。


普段、本をあまり読まない人にオススメの作家だと、個人的には思っているのですが、本を読みたいけど気力が続かない今の私にもぴったりなのではと考えて、手に取りました。


ちなみに、先日テレビを見ていたら、読書家の女優・芦田愛菜ちゃんが「神様みたいな存在の人」と辻村深月さんを挙げていました。へー!
毎回、最後にびっくりさせられるのが、好きみたいです。

著書で対談もしているらしい。気になる。


はじめに読むべき作品として挙げられることが多い

辻村作品は、シリーズ物ではないのですが、他の作品にも同じキャラクターが登場するようで、知ってる人が読むと楽しめる構造になっているらしく、読む順番というものが存在します。


ただ、公式で発表されているだけでも色々な順番があり、結局どの順番で読めばいいのか、よく分からない(笑)


▼講談社文庫の帯に付いている解説

名前探しの放課後 上下巻 | 読書とLapin

▼講談社のツイッター

せめて出版社内では順番を統一してくれよん!と思わなくもないですが、『凍りのくじら』に関しては最初の方に読んでおけということなのかな、と解釈して、これに決めました。


主人公の芦沢理帆子は、スロウハイツの神様』に出てきた写真家なので、「ああ、あの人の話ね」と想像しやすかったのも理由のひとつです。



感想

予想通り、さらさらっと一気に読めました。

余りにもどんどんページが進むので「さすが辻村深月!」と思ったし、終わり方も相変わらずで「出たな、辻村深月!」と思いました。


「本を最後まで読めない」無気力状態だった私がたった4日程度で500ページ強のこの小説を読めました。
皆さん、これが辻村深月です(笑)


登場人物への共感度

この作品はすこし不思議で、私は、どの登場人物にもさほど感情移入出来ませんでした。*2
さほど感情移入していないにも関わらず、どんどん読み進めてしまうのは何でなんだろう。不思議。


でも、理帆子の元カレの若尾というキャラクターに関しては、「なんかこういう人、いる…!」と思わされて*3、嫌悪感とともに見入ってしまいました。

弁護士を目指しているけど、努力はしない。何者にもなれないのに、周りの人間たちを見下して、自分を正当化する。


そんな若尾は、理帆子に言わせると「カワイソメダル」を持っている。顔がイケメンだから仕方ないな。


これを身につけた人や動物を周りの人が見ると、誰でも可哀想だと思って何かしてあげたくなる。
1257.カワイソメダル - ドラえもん ひみつ道具完全大図鑑

彼のことを内心馬鹿にしているのに、「カワイソメダル」の効力で、理帆子も断らずにずるずると会い続け、連絡も取ってしまう。なんだかなーー。

理帆子とお母さんの関係も、私は最初あまり気持ちが掴めなかったけど、終盤に進むにつれてだんだんぐっときちゃった。シーンの描き方が上手なのかな。


ドラえもんとの絡め方が上手い

ドラえもんに対して、さほど興味なく読み始めた割に、知らなかった道具やエピソードも分かりやすく魅力的に描かれてあって、ドラえもんが観たくなってくる(笑)



みにちゅあーとキット ドラえもん mini ムードもりあげ楽団 さんけい


個人的に気になったドラえもんのエピソードは『ムードもりあげ楽団登場!』。
その人物の遭遇する状況やそこでの感情の動きに合わせて音楽を演奏して気持ちを盛り上げてくれる道具らしい。楽しそう(ω´∀`ω)



読む前は「ドラえもん好きの主人公ってなんなんだよ」と思っていましたが、読んでからは、ドラえもんにすこし興味がわきました。物語への絡め方がとても上手。


「SF」の言葉遊び


藤子・F・不二雄先生は、「SF」という言葉を「少し・不思議」と表した。

これに倣って、理帆子が周囲の人間を「少し・○○」という言葉に当てはめて遊ぶのが、少しファンタスティック(笑)



辻村作品の「読む順番」について

前項でご紹介した通り、この作品は「辻村作品の1番最初に読むべき」というご意見もありますが、私はこれを辻村作品・1冊目として読むのは、あんまりオススメしません


まあ各々の好みもあるだろうけど、私は、
この作品から読み始めるのは、なんかとっつきにくい気がする…!
※個人の感想です。


理帆子という主人公も、誰からも愛されるキャラクターって訳じゃないし、物語も明るくない。(暗すぎもしないけど)



これなら、理帆子も出てくる『スロウハイツの神様』を先に読んだ方が絶対良いし、私が辻村作品第1冊目としてオススメするならやっぱりかがみの孤城ですね。

かがみの孤城

▼『かがみの孤城』のレビューはこちら


オススメの順番(入門編)

私のオススメの順番(既読作品のみ)は、

これ。これがベスト(^ω^三^ω^)

かがみの孤城』は一冊としてのまとまりも良いから、これを読めば自分と辻村作品との相性が分かるはず(笑)


V.T.R.』はスピンオフ作品なので、読んでも読まなくてもいいです。
ちなみに私は読んで、「辻村深月さん、やるなあ!」って思ったよ。(何故か上から目線。笑)


まとめ

凍りのくじら』、辻村深月さんらしさ溢れる作品で、一気読みでした!

ドラえもんが好きな人、そして個人的には辻村深月さんの作品を一冊でも読んだことがある人におすすめ!


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*1:個人の感想です。

*2:本にしても、映像にしても、私は感情移入して物語を見ていくタイプ。

*3:この感覚は、『ナベちゃんのヨメ』でも感じた。