Yufu Blog

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ピアニスト、伴奏者、ピアノ講師をしています。 桐朋→ Manhattan School of Music(NY)卒業

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ピアニスト・伴奏者・ピアノ講師の芦谷ゆふのブログです♪

【読了本】恩田陸『蜜蜂と遠雷』は最高のエンタメ小説だった

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「直木賞」と「本屋大賞」のW受賞で話題になった『蜜蜂と遠雷』をようやく読みました!

蜜蜂と遠雷

2017年(平成29年)、第156回直木三十五賞、第14回本屋大賞を受賞する。直木賞と本屋大賞のダブル受賞及び同作家2度目の本屋大賞受賞は、史上初である。また第5回ブクログ大賞で小説部門大賞も受賞している。
蜜蜂と遠雷 - Wikipedia

恩田陸さんの小説は、今までまったく読んだことがなかったのですが、今回はピアノコンクールの話だったので、
ピアノ関係者としては興味を引かれて読んでみました。

話題作なので気にはなっていたのですが、
恩田陸ファンの友人が読んでいたり、生徒さんの保護者も読んで、いたく感動したと聞いたので、それならば私も読んでみようと。笑


一気読みの面白さ

507ページの分厚さと、二段組の構成に、最初は「読めるかしら……」とおののいていたのですが*1、そんな心配はまったく無用だったようで、一気に数日で読み終えてしまいました。ヨソウガイデス。
むしろ、そこらへんの文庫本を読むより速く読み終えてしまって、自分でもびっくりでした。笑


ぐいぐい読ませる文章や、読みやすい文体、魅力的なキャラクターに、瑞々しい表現!
とっても面白かったです。大興奮!

ページが終わりに近づくにつれ、達成感と寂しさが入り乱れました。
早く続きを読みたい気持ちと、まだ読み終わりたくない、いつまでもこの世界の中にいたいという気持ちの混濁。


ここ最近読んだ小説の中でも、ずば抜けて面白かったです。
本を読んでこんなに興奮すること、なかなかない。本当にオススメの作品です。



そういえば、2006年に伯父に東野圭吾『白夜行』をオススメされたときも「いやドラマ見たし…あれ分厚いやん…」*2みたいなリアクションを返したら「分厚いけど、それを感じさせんくらい一気に読めるから騙されたと思って読んでみり!すごく面白いっちゃ!」と熱く勧められて、「読書家のおじちゃまがそんなに言うなら…」といやいや手に取った割に一気読みで、読後は大興奮だったなあ、と思い出しました。笑


ピアノ関係者が読んでも素晴らしかった


大体、音楽ものの作品って良し悪しがあって、
音楽をやってる人が読むと、音楽を表す言葉の表現がいやらしく感じて鼻についたり、
曲目のレベルがバラバラで訳わかんなかったりすることがあるのですが、
『蜜蜂と遠雷』に関しては文句なく素晴らしい作品だった。

表現がまったくいやらしくないどころか、瑞々しくて、「実際に聴きたい!」と思わせる力がある。
課題曲を見ていても「こんなコンクールありそう!」という感じ。

担当編集者より

「構想12年、取材11年、執筆7年」とは『蜜蜂と遠雷』のプレスリリースや新聞広告で使ったフレーズで、恩田陸さんの担当歴20年以上になる私にとっても半分以上の年月この作品に携わり、3分の1の年月、月刊連載原稿の催促を続けていたことになります。

長く一つの作品にかかわるといろいろなことがあるわけで、その最大が3年に1回、開催される浜松国際ピアノコンクールへの4度もの取材です。ふつうは4度も取材しません。取材といってもバックステージを観察するようなことはほとんどなく毎日、会場の座席に身を沈め朝9時から夕方まで審査員でもないのにひたすらピアノ演奏を聴き続けるだけです。2回目以降、毎度「先生また行きたいんですか!?」と呆れたふりをしながらも、じつは無類のクラシック音楽好きの私は、しめしめとひじょうに楽しみにしていました。まさに役得です。
インタビュー随時公開! 直木賞&本屋大賞 W受賞!恩田陸『蜜蜂と遠雷』<特設ページ> - 幻冬舎plus

この長く、熱心な研究と、恩田陸さんの感受性そのものが素晴らしいのでしょう。
読んでて感じたのだけれど、同じ音楽を聴いても、全員が全員こんな風には感じられないだろうな、と思うの。

また、なんと言っても、キャラクターが全員魅力的
天才少女としてデビューするも母の死後ピアノから長らく遠ざかってしまっていた栄伝亜夜、ジュリアード音楽院の貴公子マサル・カルロス・レヴィ・アナトール、同じくジュリアード音楽院に通う自信家で「女ラン・ラン」とも評されるジェニファ・チャン、妻子がおりサラリーマンとして働きながらもピアノを続けている28歳の高島明石などなど。
そして、なんと言っても故ホフマン先生の秘蔵っ子であり、奇才な演奏を披露して、審査員たちの物議を醸す16歳の風間塵。

よく言われることだが、審査員は審査するほうでありながら、審査されている。審査することによって、その人の音楽性や音楽に対する姿勢を露呈してしまうのだ。
恩田陸『蜜蜂と遠雷』より

風間塵の存在が、物語を一層面白く引き立てていることは間違いない。風間塵をどう評価するか、審査員たちが故ホフマンに試されて翻弄されているところが、とても面白い。

私の中で塵くんは、『マギ』のアラジンみたいなイメージ。いつも心がオープンで、感じたままにまっすぐで、何も持っていなさそうに見えるのに、どこか絶対的な力がある感じ。
http://livedoor.blogimg.jp/ss05836xxx/imgs/b/1/b14f797f.jpg
引用: 宇宙の栞。:【感想】マギ*2巻


CDも出ているらしい

生徒さんの保護者から教えてもらったのですが、CDも公式で発売されているみたいです。

全51曲が収録されたCD8枚組に、恩田陸さんの書き下ろし短編とブックレットがついて4,000円ならかなりお得なのでは。
ちなみにMP3ダウンロードだと3,000円みたい。

気になって演奏者を調べて見たけれど、
ポリーニ、アシュケナージ、アルゲリッチ、ユジャ・ワンなど… ちゃんとした著名なピアニストたちばかり。

風間塵の演奏を誰が担当してるか特に気になったんだけど、ドビュッシーの1番の練習曲は内田光子さん、バッハの平均律1番はポリーニ、ショパンのスケルツォ 第3番はポゴレリッチ、サティのジュ・トゥ・ヴ(きみが欲しい)はロジェ…といった具合らしい。ますます気になる!


電子書籍で読了


普段は紙書籍派だし、電子書籍は目が疲れるから絶対だめ!!というタイプの私なのですが、ここ最近目の調子が良かったのと、電子書籍がお買い得だったので、本作はつい電子書籍で購入してしまいました。

電子書籍だったから読むまでに躊躇してたというのもあるのだけど(目が悪化しないか心配だった)、幸い問題ありませんでした。

この作品に限っては、分厚くて持ち運ぶには重いし、
眼精疲労 vs 肩こり という感じですね(笑)

わたしは外出先やお風呂の中、寝る前などに読みたいので、目の調子が良い限りは持ち運べる電子書籍が合ってたみたいです。

ただ、今回は「honto」というショップで購入したということもあって、まだKindle端末は持っていません。
期間限定半額セールをしていたので、つい電子書籍版を買ってしまったという説もある…(笑)

ボリュームのある『蜜蜂と遠雷』を電子書籍で読めたことで自信がついたので、近いうちにKindle Paperwhiteを購入しようと思っています꒰✩’ω`ૢ✩꒱💕

あと、『蜜蜂と遠雷』を電子書籍で読むのをオススメしたい理由がもうひとつあって、紙書籍版の二段組と違って、電子書籍版だと、普通の他の小説と同じように一段構成で読めるんです。

私は iPad mini 2 と iPhone7 Plus を同期しながら読んだのですが、普通の単行本を読んでいる感覚で読めました。

▼見にくいですが、こんな感じ。

「二段組でも全然気にならないよ^^」という方は問題ないのですが、二段組とページ数に一瞬慄く私のようなタイプの方と、持ち運ぶときの重量が気になる方には電子書籍で読むのがオススメです。笑


久しぶりに小説でこんなに感動した

とにかく何度でも言うけど、近年読んだ中でも抜群の面白さでした。
間違いなく、私が2018年に読んだ作品でも上位であると思います。まだ今年始まってそんなに経ってないけど、たぶん一位になるんじゃないかな(笑)

音楽をしてる人にも、音楽をしていない人にもオススメです!!


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*1:最近、読書する習慣から遠のいてしまっていたので。

*2:東野圭吾『白夜行』は、文庫本なのに900ページ近くある。