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Yufu Blog

ピアニスト・伴奏者・ピアノ講師の芦谷ゆふのブログです♪

9〜10月で読了した本:4冊

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何のひねりもないのですが、9〜10月で読んだ本を纏めようかと。

NYから「さぁー、本を読むぞ!!」と楽しみに帰国して以来、常に何かしら読んではいるのですが、チョット読んでは積み、チョット読んでは積み…しているので、“『読了』した本” というものがなかなかないのです。この点は、大いに反省すべきだと思いますが、私に読了させる力のない本たちも良くないと、結局そこまで反省はしていません。読了本が少ない理由のひとつには、遅読というのもあるのですが(笑)

 

私は、他人の本棚を見るのが好きで、たとえば、興味がある人がいるとして、その人が影響を受けた本は「私も読んでみよう」と思ったりするのですが、私の今回紹介する読了本たちはそういうものとはちょっと縁遠い。つまり、この本たちを見て「へぇ〜、ゆふさんってこんな本が好きなのね」と思われると大変心外………というと、いかにも本たちに罪があるような言い方になってしまうので、それはそれでまた心外ではあるのですが(笑) 今回ご紹介する本たちはあくまでも、私の興味の範囲内であり、かつ読みやすい本たちであるということです。

 

「わかりやすい」「読みやすい」本ばっかり並べるとバカなのがバレるので本当はあんまり公表したくないのですけれど、同じような理由で昨年は読書記録をつけていなくて、それを現在ちょっと後悔しているので、何でもいいから記録してしまえーって感じで書いています。読みやすい本を探していらっしゃる方には、多少参考になるかもしれません。言い訳終わり。笑

 

 

中川右介『怖いクラシック』

怖いクラシック (NHK出版新書 481)

怖いクラシック (NHK出版新書 481)

 

本当は、同じ著者の作品で別に読みたい本があったんですが、近所の紀伊国屋書店さんに在庫がなかったので、Kindle無料サンプルで読んだことのあったこちらの本を購入しました。

『怖いクラシック』音楽に焦点を当てて解説している本なんですけど、著者も書いておられる通り普通に音楽史本になっているのが興味深い。

そもそも、巻末の参考文献リストを見ても分かる通り、膨大な資料を元に書いていらっしゃるので、短い文章の中にポイントがぎゅっと詰まっている上に、付随する情報も的確なんですよ。そういう沢山の資料を読まれた方、沢山リサーチされた方の書いた本を読むことってすごくお得だと思うんですよ。個人的には、NYでテキストとして使っていたのに、日本で既に絶版になっている本も参考文献の中に入っていたのが好感度高かったです。「ソースがしっかりしてる」とかって言うと、なんか偉そうだけど(笑)

お話がわかりやすいから、あまり馴染みのない作曲家の話でも面白いし、知らない曲も「聴いてみよう」と思えるし、クラシック入門者が読んでも面白いと思います。

 

 

小澤征爾『ボクの音楽武者修行』

ボクの音楽武者修行 (新潮文庫)

ボクの音楽武者修行 (新潮文庫)

 

年明けに、小澤征爾さんとドナルド・キーンさんの対談番組を見たのですが、そのときのお話が面白くて、自分の母校の大先輩であらせられる小澤先生の御本ってそういえば未だ拝読したことがなかったなぁと思ってすぐ本屋に行って購入しました。小澤征爾さんが現在の私と同じ26歳の時に書かれたということで、今読まなければならないという気がしてしまいました。年明けに買ったのに読む暇がなかなかなくて帰国して今更になってから読むというダメっぷりだけど。笑

小澤征爾さんがスクーターでヨーロッパを回ったり、渡米したり、日本人指揮者として新たな道を開拓されてるお話が楽しいです。アメリカとヨーロッパのジャズの違いなど、面白い話がたくさん載っていました。ただ、なんというか、やっぱり時代の違いみたいなものも感じたけれど。たとえば、今はインターネットが普及して便利だけれど、当時は日本とも遅い手紙のやりとりや高い国際電話のみの連絡になるから、今よりも距離が遠く感じるし、すぐにホームシックになるだろうなあ、とか。当時の手紙を全部控えて取ってあるっていうことに、御家族の愛を感じました。

 

 

司馬遼太郎『竜馬がゆく(2)』

竜馬がゆく〈2〉 (文春文庫)

竜馬がゆく〈2〉 (文春文庫)

 

これももう今更感があるのですが。

留学前に第1巻を読んだら、それがもうめちゃくちゃ面白くて。

普通なら「これはすぐ二巻を」となるのですけれど、留学前だったこともあり、「これは今読み進めてしまうと留学中絶対に続きが読みたくなったしまう、でも留学中は日本の本を手に入れる機会も減るし、勉強で忙しくなると読む時間も少なくなってしまうだろう…ここで留めておかなければ…」と必死で自分を制して読まずに取っておいたんです。

案の定、面白かった。というのも、竜馬が漢文や蘭語を習う場面があるのですが、それが留学中の自分とすこし被るんですよね。留学中、言葉がわからなくて苦戦したところもあるのだけれど、「私が知りたいのは英語そのものでなく、その先にあるものだ」と常に思い続けて、英語を理解するというより、それが何を伝えたいのか、内容を理解する方に情熱を注いでいたので、竜馬が語学を理解せずに内容を誰よりも理解して、尚且つ先生の誤訳まで指摘するシーンは天晴れでした。

周りの人たちと違う、その時代の常識に囚われない目で日本や世界を見ているところがすごいと思うし、竜馬を誇りに思い、信じて、全力でサポートするお姉さん方の愛も素晴らしいです。  

 

 

都築響一『圏外編集者』

圏外編集者

圏外編集者

 

なんだか個人的には、高校時代にハマって当時の既刊は全部読んだ高橋歩さんとか、今年読んだばかりで記憶に新しいみうらじゅんさんなどを彷彿としてしまう本でした。編集者である都築響一さんが、面白くない本で溢れる現代日本の出版業界に物申す本なのですが、要は、「自分の面白いと思う感覚を信じて突き進め」っていう話。

何が読みやすいポイントかっていうと、これって、表紙を見ていただいたら分かる通り、文章が「語り」なんですよ。だから軽く読める。

都築さんの過去の著作物の話がたくさん出てくるので「あれ、これって自伝かな?」と途中で思ったりもしました。

以下、私の印象に残った文章の引用。 

企画を立てて、編集長に相談しに行ったとき、「おもしろいですよ〜」と言いながらも、「でもあまりにもほかとちがうから、売れるかどうかわからない」とかポロッとこぼしたら、すごく怒られた。「お前、ほんとにおもしろいと思って言ってるのか?」って。それで「ぜったいおもしろいと自分では思います!」と返事したら、「だったら読者の顔色とかうかがうんじゃない、ほんとにおもしろいと思ったもんだけ、とことん行け。売れなくて頭下げるのは、こっちの仕事だから」って。
その編集長から教わったことはいろいろあるけど、いちばん身についたのは、「読者層を想定するな、マーケットリサーチは絶対にするな」だった。知らないだれかのためでなく、自分のリアルを追求しろ、と。そういう教えが、僕の編集者人生のスタートだったのかもしれない。

自分がものすごくおもしろいと思ったことは、おもしろいと思ってくれるひとがほかにもいるはず。それは25歳の独身女性かもしれないし、65歳のおじいさんかもしれないし、15歳の男子かもしれない。だからそこにいるのは「ひとりひとりの読者」であって、「読者層」じゃない。

速読とか多読なんて、早食いや大食いと一緒だと思うから。何百冊も何千冊も買って部屋に積んだって、「読んだことある」とか言ったって、素材を味わってなかったら、なにも身につかない。血肉にならない。

これらの文章にビビビッと来たあなたは、この本を読んでみたら良いかも(゚ω゚)

 

読みたい本はたくさんあるのですが、前述した通り遅読なので……。そして、11月・12月もバタバタしている予定なので、なかなか読了本は増えないでしょうけれども。来年の目標を掲げるにはまだ早いけれど、もう少し知的な読書履歴になるようにしたいです。笑


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