Yufu Blog

ピアニスト、伴奏者、ピアノ講師をしています。 桐朋→ Manhattan School of Music(NY)卒業

Yufu Blog

ピアニスト・ピアノ講師の Yufu のブログです♪

10月 読了した漫画:15冊


先月は、読んだ漫画が少ないです。


というのも、ごくたまに押し寄せる「頭使いたい!」という欲求が訪れ活字を読んだり(その割に読了本は少なかった)
アニメを見たい欲求も久々に高まり、『魔法使いの嫁』『Steins;Gate (シュタインズ・ゲート)』シリーズなど、久しぶりにアニメをたくさん見た月でした。


▼『魔法使いの嫁』についてはこちら



志村貴子『放浪息子』⑤-⑮(完)

女の子になりたい男の子と、男の子になりたい女の子。フクザツで繊細な、思春期物語。女の子のかわいい服を着たいという気持ちが抑えきれない内気な男の子・二鳥修一は、転校先の小学校で、背が高くカッコイイ女の子・高槻よしのと出会う。彼女もまた、「男の子になりたい」思いを胸に秘めた女の子だった。フクザツで壊れやすい心を抱えて思い悩む現代の少年少女たちを、優しく透明に描き出す、志村貴子の代表作、 思春期学園ラブストーリー!

素晴らしかった。

性はグラデーションとよく言われるけれど、この作品のキャラクターの多くはグラデーションの中にいて、
揺らいだり、固定してたり、自分を模索していたり、闘っていたり…。

異性になりたいと思ったり、異性になりたいと思わなくなったり、そういうこともある、それでいいんだって思える。

よくメディアで取り上げられているような「LGBT」や「オネエ」(この言い方には未だに馴染めないところがあるが…)のような人たちだけでなく、
いろんな性のあり方がある、いろんなジェンダーの人がいるっていうのが丁寧に描いてあって、とても好感の持てるあたたかい作品でした。

是非とも多くの人に読んでほしい漫画です。

とりあえず言えるのは、あんなちゃんは最高の彼女だった。異論は認めない。
最終巻は、カケアミも素晴らしかったなー!



モンゴメリ、杉本啓子『赤毛のアン』①

L・M・モンゴメリーの原作を、美麗なタッチでコミカライズ!グリンゲイブルズのマシュウ・カスバート家。妹のマリラ・カスバートは野良仕事の手伝いにと、孤児院から男の子を一人、養子に取ろうと考えていた。しかし、実際やって来たのは男の子でなく、そばかすだらけで赤毛の痩せた少女だった…!

『放浪息子』の主人公ニトリンの愛読書だったので、その繋がりで読んでみた。

実は、『赤毛のアン』を読んだことがなかったもので、ニトリンが憧れる気持ちが、よくわかんなかったんだよな。
(子供のころに図書館の本棚から引き抜いて、ぱらぱらとめくり、そのまま戻した記憶がある。同じ記憶に『あしながおじさん』も…笑)

漫画ですが、アンがいきいきと描いてあって楽しいです。
空想少女が炸裂している(笑)

イギリス文学の世界! って感じで、漫画ながらも、読んでいてわくわくします(◍′◡‵◍)

ゆっくり続きも読んでいこうと思います♪♪



ミヤジ『それが恋だと気付くまで』①〜③

「男が好きってマジ?」――高校に入学して少し経った昼下がり。好奇心から屋上に上ってみたユキは、そこで大人びた同級生・オミと出会う。意気投合し、すぐに友達になった二人だが、幼馴染の圭からは「淡泊なユキが人と関わろうとするの珍しい」と言われる。ユキは中学の時は圭しか友達がいなかったのだ。それなのに、オミと一緒にいるのは安心する。電話越しに聞こえる声も、口数は少ないけど意外とよく笑う顔も、そして、悩んでいる事を隠す自分を、鋭く見抜くところも――ある日、同級生から中学の時にイジメラレていた事をはやし立てられるユキ。そこでユキのトラウマが掘り起こされ――男子高生達の甘酸っぱくほろ苦い青春日常ストーリー。
それが恋だと気付くまで 1: それが恋だと気付くまで - ミヤジ, オイナリ - Google ブックス

もしかしたらお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが
これ9月も読んだわ。


すごく気に入ったから

…という訳ではなく、「あれ?これ何だったっけ?」と…。


正直に申し上げると「忘却」という理由で、また読んでしまいました。期待値を上げて申し訳ないですm(_ _)m



感想としては、2回読んでも、やっぱり展開が早いと感じてしまいました。

これはBLあるあるなのかもしれないけど、お互いが両思いってわかってからのスピードが早すぎる。
読者の目指すゴールは、本当にそこなのかな。


個人的には、このキャラクターたちにそういうシーンはあまり期待してなかったというか、それよりも思いが深まっていく様子がもっと見たかった。

そう感じるのは、私が少女漫画脳なせいなのか?!(^ω^三^ω^)


ここまで書いたけど、別にこれが最終巻なわけじゃないんだろうから、この後のラブラブを早く描きたかったのかもしれない(笑) 早計な感想を許してください😭💗



人気ブログランキング
ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村

『やがて君になる』は百合アニメ? セクマイ同士の恋愛アニメとしての考察


Amazonプライムで、今期放送中のアニメ『やがて君になる』を見ています。


あらすじを見て「これは、もしかしたらセクシュアル・マイノリティ(以下セクマイ)が主人公のアニメなのでは?!」と興味がわき、放送前から「見たい番組リスト」に追加していたのですが、
SNSで「百合アニメ」との書き込みを見つけ、「もしかしたら自分がイメージしていたものと違うのかも…?」と躊躇してしまい、放送開始後、しばらく見られずにいました。*1


意を決して最近見始めたのですが、今のところは百合百合しておらず、自分が思い描いていたアニメのような、、?


あらすじ

私が放送前に読んで、惹かれたあらすじはこちら。

人に恋する気持ちがわからず悩みを抱える新入生・小糸侑は、中学卒業の時に仲の良い男子に告白された返事をできずにいた。そんな折に生徒会の先輩・七海燈子が告白を受ける場面に遭遇する。誰からの告白にも心を動かされたことがないという燈子に共感を覚えた侑は自分の悩みを打ち明けるが、やがて燈子から思わぬ言葉を告げられる。「私、君のこと好きになりそう」

人に恋する気持ちがわからないってことは、自分の性自認や性的指向ががまだ定まらない・模索している段階で、
その時期に恋愛の話などで周囲との違いを感じ、思い悩む高校生の姿が見られるんじゃないかなあ、と期待したのです。



っていうか、難しくごちゃごちゃ言ってるけど、
早い話、おまおれ感が強かったんですよね、あらすじを見た段階だと。


ごちゃごちゃと考えて思い悩む高校生だったのよね。
まあ、私なら告白は保留にせずに、即お断りするけどさ。だって、待たせたら待たせただけ期待させてしまうでしょう。
告白恐怖症で、一人震えていた10代だった⁝(ृ `ᾥ ´  )ु⁝


「百合アニメ」という評価

ネットを見ていると、世間的にはどうやらこのアニメは「百合アニメ」という評価みたいです。

仲良しラブラブで楽しくいちゃいちゃするアニメなら別に今見たくないなーと思って躊躇していたのですが、第5話までの段階だとそこまでではないかな。

というより、小糸が時々気まぐれに先輩を受け入れてみたりはするものの、基本的にはクールさを貫いていて、
誰も好きになれない、何にもときめかない、という性質は変わっていないし、
先輩も、自分を好きになってくれない相手を受け入れている(そう見せているだけかもしれないけれど)ので、
ある意味で、二人の関係は成り立っているように見えます。

女の子同士だから「百合アニメ」と言われるのは理解できるけれど、私はどうもこの二人のキャラクターの性質を見るにつけ、これを百合アニメというのは受け入れがたい。
というか、これは百合というより、セクマイの恋愛ではないのか? と思ってしまいます。


「特別」とは何なのだろう

主人公の小糸は、他人を「特別」と感じられないことに悩んでいます。

七海も、これまで誰にも「特別」を感じたり、ときめいたことがないと言って、告白はすべて断っていました。

そんな七海が、何故小糸だけは「特別」に感じたのか。

「恋愛感情がわからない」共通点で打ち解けた二人。
私は、この告白によって、七海が小糸に対して強い結びつきのようなものを感じたからではないかと思います。


二人のセクシュアリティ

ここからは私の一方的な妄想なので、原作を愛していらっしゃる方や、この作品は「百合」だと評価されている方には、私の意見は非難されるかもしれません。

また、私は原作を読んでおらず、アニメを見た限りの感想になります。お許しください( ´ิ(ꈊ) ´ิ)

七海燈子はデミロマンティック?

私は、七海が小糸を好きになったのは、
「恋愛感情がわからない」という小糸の告白によって、強い結びつきを感じたからではないか、と思います。

今まで恋愛感情を経験したことがないのに、強い絆で結ばれた相手に特別な感情を抱く…
そう考えると、七海燈子はデミロマンティックなのでは? と感じてしまいます。

デミロマンティックは他者に対して基本的に恋愛感情を抱かないが深い絆で結ばれたごく少数の相手に対してのみ恋愛感情を抱くことができる人・ことである。逆に言えば、その絆がなければ人に対して恋愛感情を抱かない。
https://blogs.yahoo.co.jp/hatsune_akira/43298344.html

ありのままの自分自身を受け入れてくれた相手を好きになってしまうって、すごくよくわかる…(^q^)

私が七海燈子自身なら、自分をデミロマと認識したと思うんだけれど、どうだろう。


小糸侑はAセクシュアル?

対して、小糸は、自分と同じ「他人に特別を感じない」と言っていた、謂わばやっと出会えた仲間だと感じた相手が、さっさと自分を好きになってしまって、裏切られたような気持ちを感じる。わ、わかるわぁ…

このアニメを見ていると、どっちの気持ちにも既視感を抱いてしまって、心臓をナイフで刺されたように、ウッ…となってしまう時があります⚡️⚡️

恐らく自分を変える何かが欲しい、試してみたい、という気持ちもあって、小糸はしばしば先輩である七海の好意を受け入れます。こういうのって相手にとっては生殺しだよね。すごくひどいことをしてると思って、見る度に心が痛むのは私だけなのか?*2

でも手をつないだり、キスをしても、「何も感じない……」と、毎回心の中で落胆する小糸。
ネットの声を見ていると、「まだ恋を知らないから」とかいう意見もあるみたいなんですが、うーーん、私は、彼女はAセクなのではないかなと思う。

Aセクシャルの人(無性愛者)は、他の人に対して、性的魅力等を感じない人・他者との性的コミュニケーションを望まない人のことを指しています。
Aセクシャル(アセクシャル、エイセクシャル)とは?


二人がセクマイだと仮定すると

あくまでも私の現在の考えですけれど、二人のジェンダーが仮にこれらに属するものだとしたら、
このアニメは「LGBTに含まれないセクマイ」の恋愛アニメと捉えることが出来るのではないでしょうか。

女同士なんだから「百合」と言ってもいいのだけれど、私は、これはたまたま記号的な意味でお互いが女だったからそうなるんであって、相手次第で変わりそうな問題じゃん! と思ってしまう。細かいけど。

ただ、セクマイがこんな風に作品になることもなかなか少ないので、この考察には、個人的に「セクマイを描いていてほしい」という願望も、少なからず含まれている気がします。

二人の今後の展開がどうなろうと、根底に「人に恋する気持ちがわからない」という設定がある以上は、セクマイ同士の恋愛を描いたアニメとして捉えても良いように思います。


VODサービスの見逃し配信サービス

今からでもVODサービスで第1話から見ることが出来ます。

ちょっと一回、セクマイアニメだと思って見てみてほしい…! 他の人の意見が聞きたいんや…!ヾ(:3ノシヾ)ノシ

『やがて君になる』が見られるVODサービス

※ 2019年10月5日現在の情報です。


原作も気になるところ…

今回はセクマイアニメとしての考察をしてみたけれど、
これからアニメを見進めていったり、原作を読んだりしたら「あ、これやっぱり百合アニメだったわ」って考えが変わるかもしれない(笑)

とりあえず、アニメを見続けて、気になったら原作も読んでみようかな…( ∩ˇωˇ∩)スンス-ン♪



人気ブログランキング
ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村

*1:百合が嫌いなのではなく、どんな性別に関わらず、今の自分の気分として、ラブラブでキャッキャウフフな話なら見たくないな…と思った、という話。

*2:自分を重ねるなって話だけれど(笑)