Yufu Blog

ピアニスト、伴奏者、ピアノ講師をしています。 桐朋→ Manhattan School of Music(NY)卒業

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ピアニスト・ピアノ講師の Yufu のブログです♪

3人のバイオリニスト葉加瀬太郎・高嶋ちさ子・古澤巌の破茶滅茶バラエティ【ぴったんこカンカン】

SNSで友人が「桐朋がTVに出てた!」と呟いてたので、
桐朋卒業生の私としては「あー見たかったわあ」と残念に思ったのですが、
よく考えたら TBSオンデマンドで見逃した放送も見られるんですね。

いや、便利な時代になりましたね。
昔は見逃したらそれっきりで、放送を見た人に感想を聞いたり、たまたま録画してる人がクラスにいたらVHSを貸し借りしたりしていましたが、今や見逃しても公式でインターネット配信してくれてるんだもんね。すごいことだわ。
コミュニケーションを取るのが苦手な人には、自己完結できて最適のツールだと思われる。笑

TBS FREE TV(テレビ)番組の見逃し配信の見放題

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  • Tokyo Broadcasting System Television, Inc.
  • エンターテインメント
  • 無料

ぴったんこカンカン


まあ、それでなんでテレビ番組に桐朋学園が登場したかって話なんだけれど、『ぴったんこカンカン』という番組にバイオリニストの葉加瀬太郎さん、高嶋ちさ子さん、古澤巌さんが出演されて、御三方で桐朋で演奏されたのですよね。
在校生羨ましいな(^ω^三^ω^)

桐朋に至るまでもレストランやイチゴ農園で葉加瀬さんと高嶋さんのお話を聞いてたけど、お互い同じ楽器というのもあるからか、言いたい放題でめちゃくちゃ面白かったです。
というか、このお二人って同い年だったのですね。同じ年でこんなにメディアで有名になるバイオリニストが二人もいるっていうのもすごい話だなあ。

葉加瀬さんは、「ちーちゃん」こと高嶋ちさ子さんとはテレビでの共演を今まで避けていたらしいのですが(怒られるから、というのが理由らしい。笑)、遂に今回テレビ初共演という段になったらしい。

というのも、近々CDが発売になるらしい。
あ、菅田将暉くんの『PLAY』と同じ発売日ですね!笑

掛け合いが面白すぎて、ずっと笑ってしまった。



古澤巌伝説

葉加瀬太郎さん、高嶋ちさ子さんの共演者として、
二人が若いときから尊敬していた憧れのバイオリニスト・古澤巌さんも登場。
当時、コンクールで優勝するようなバイオリニストというときちっとした服装で眼鏡を掛けて…というような人が多かった中、長髪で奇抜なファッションで、とても格好良かったらしい。

高嶋ちさ子さんも「この人と同じ学校で学びたい!」と思って、桐朋に進学されたらしい。

そんな素晴らしいバイオリニストの現在のお姿がこちら。


威厳なさすぎてめちゃくちゃ笑える😂😂😂

  • 瞼に目を描いて登場する。
  • バイオリンをチェロの弓で弾いている。
  • 前住んでいた家にトイレがなく、隣りの公園で済ませていた。
  • 高嶋ちさ子さんの12人のバイオリニストの指導で来たとき、「僕は今日、香川から来たんだよ」と言い、ズボンからうどんを12玉出し、皆にひと玉ずつ渡した。
  • 「一線は超えたんですか?」の質問に「それは縦の線? 横の線?」と答える。

などなど、聞いてるだけでやばい逸話がどんどん出てくる。

弓の話は、なんでも、前に葉加瀬さんのコンサートにゲスト出演した際に弓を忘れてきてしまったことがあり、オーケストラのチェリストから弓を借りて演奏したのをきっかけに、チェロの弓で演奏するようになったらしいです。

チェロの弓は、バイオリンの弓よりも短くて重いらしい。
ご本人曰く、「葉加瀬みたいに太い音が出たんだよ…」とのこと。ちょっと何言ってるかわかんないけど。。笑
重くてボーイングが見るからに間に合ってないときもあるらしい🤣🤣🤣


桐朋学園

葉加瀬太郎「桐朋はお上品な学校だからね」
安住アナ「少数精鋭のエリートって感じですよね」
高嶋ちさ子「いやいや、けど古澤さんいるから。ちょっとおかしい人が多いの、桐朋は

高嶋ちさ子さん曰く「ちょっとおかしい人が多い」学校がこちらになるのですが、もうここの光景を画面越しに見ただけでも、「アァァ…!!」ってなるのが桐朋生ですよ。そりゃ七年も通ってたからね。

新校舎に建て替わってから、「別物になった」感覚がやけにあるんだけど、結局先生方とか警備員さんとかは変わってなくて超懐かしい。画面の前で「あああああ!!」って声が出ちゃうのは許してほしい。
きっと、母校を前にしたら皆こんなもんよ。

ちなみに、葉加瀬太郎さんは桐朋を出入り禁止になってたらしく、現学部長の村上弦一郎先生に入館許可をわざわざもらいに行っていました。笑

学部長室も、新しくて綺麗な部屋だなあ!
後ろの本棚に『東京芸術大学規則集』って名前の分厚いファイルがあるのが、個人的に気になりました(^q^)
私が入学したときは「法律が学則です」とか言われるアレな学風だったんだけど、時代の波に合わせて、ちゃんとし始めたのかな…笑

ところで、去年の8月に私は仙川キャンパスも調布キャンパスも新校舎を見に行ったんですけど、ブログ記事にしてなかったみたいですね。リンクを貼ろうと思って探してから、書いてなかったことに気がつきました。
写真を撮ったはずなので、また探してみます。

去年見学に行ったときは仙川キャンパスの二階がまだ工事中で、ヤマハも閉まってたから行かれなかったんだけれど、今回高嶋さんたちが回ってくれてたので擬似見学できて嬉しかったです。

自分たちには日常なので今まで何も疑問に感じていなかったけど、
音楽と関係ない世界の安住アナが「学校の売店がヤマハなんですか…!流石、音楽学校って感じですね」とか、練習室が取れなくて廊下で練習している学生たちに「部屋が取れなかったわりには廊下を堂々と使ってるね」など、かなり常識的な目線で容赦なく突っ込んでいるのが最高でした。

これはね、学生のために私が代弁する!!

旧校舎のときは皆、廊下で練習するといっても、片側が壁(窓)である廊下でしか練習してなかったのよ。今の学生たちみたいに、両側に部屋があるのに、そこで練習するなんてことはなかった。
旧校舎時代の学生は、壁側にある机に荷物を置いて、窓に向かって練習してたんだけど、新校舎だと地下に練習室が作られてるから、皆ガチの廊下で練習するしかなくて、それがちょっと違和感があるように見えるんだよね。そういうことにしておこう。笑

↑私が以前撮った旧校舎の写真なのだけど、奥にいる練習してる学生の姿が見えるかなあ。こんな感じで皆、片側が壁の廊下で、窓に向かって練習していた。


芸大生と桐朋生のカラーの違いを見た気がする


桐朋の333教室でのコンサートの様子!
333って、授業以外に実技試験やコンサート、文化祭のときは高校生がミュージカル上映に使ってた広いお教室なのですが、今はこんな風になっちゃったんだねー!
壇上が…ない! 何でだぁぁ😭

御三方でモンティのチャルダッシュを演奏されてて、素晴らしかったです。古澤巌さんが一人だけ本当にチェロの弓で演奏してるのも笑えた…。

葉加瀬さんだけ芸大出身で、古澤さんと高嶋さんは桐朋出身なのですが、なんとなく「あっ…(察し)」という感じ。
企画なんかはいつも葉加瀬さんが発案されるらしいのですが、毎回二人にぶっ壊されるらしい。笑
でも、ぶっ壊す気持ちって、なんかわかるような気も。私も出来ることならぶっ壊したい側ですね。
葉加瀬さんは、すごく真面目な感じがします。

それで思い出したのですが、私がいま教えてる北千住のお教室って、何故か芸大出身・芸大生の先生が多くて、発表会とかで顔を合わせても芸大カラーをめちゃくちゃ感じて、実はちょっとアウェイな感じがあるんですよね。笑

この間気がついたんだけれど、服装とかも、芸大と桐朋は全然違うのかも…と。
桐朋生ってお嬢様や派手な子が多くて、ある意味目立ってナンボみたいな、個性を前面に押し出した煌びやかな服装の人が多いんだけど*1、芸大生ってちゃんとしてるというか、桐朋生に比べると大分地味というか、真面目系というか、ちゃんとしてるというか、真面目系というか。桐朋みたいに突飛な人っていなさそう。
色もモノトーンだったりシンプルなものが多くて、そのあたりが国立と私立の違いなのかも。桐朋は、自由な校風だから自由人が多いもんなあ。笑


何にせよ、
仕事で母校に行くのってちょっと楽しそう
と思ってしまいました😂😂😂


最近、事あるごとに「私は桐朋に行ってよかったな…」と思ってしまう。桐朋の校風も先生たちも好き。
桐朋ありがとう😭❤️




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*1:桐朋の高校(音楽科)は私服なんだけど、ゴスロリファッションの子や、金髪ウィッグで突然現れたりする子が普通にいる

【読了本】恩田陸『蜜蜂と遠雷』は最高のエンタメ小説だった


「直木賞」と「本屋大賞」のW受賞で話題になった『蜜蜂と遠雷』をようやく読みました!

蜜蜂と遠雷

2017年(平成29年)、第156回直木三十五賞、第14回本屋大賞を受賞する。直木賞と本屋大賞のダブル受賞及び同作家2度目の本屋大賞受賞は、史上初である。また第5回ブクログ大賞で小説部門大賞も受賞している。
蜜蜂と遠雷 - Wikipedia

恩田陸さんの小説は、今までまったく読んだことがなかったのですが、今回はピアノコンクールの話だったので、
ピアノ関係者としては興味を引かれて読んでみました。

話題作なので気にはなっていたのですが、
恩田陸ファンの友人が読んでいたり、生徒さんの保護者も読んで、いたく感動したと聞いたので、それならば私も読んでみようと。笑


一気読みの面白さ

507ページの分厚さと、二段組の構成に、最初は「読めるかしら……」とおののいていたのですが*1、そんな心配はまったく無用だったようで、一気に数日で読み終えてしまいました。ヨソウガイデス。
むしろ、そこらへんの文庫本を読むより速く読み終えてしまって、自分でもびっくりでした。笑


ぐいぐい読ませる文章や、読みやすい文体、魅力的なキャラクターに、瑞々しい表現!
とっても面白かったです。大興奮!

ページが終わりに近づくにつれ、達成感と寂しさが入り乱れました。
早く続きを読みたい気持ちと、まだ読み終わりたくない、いつまでもこの世界の中にいたいという気持ちの混濁。


ここ最近読んだ小説の中でも、ずば抜けて面白かったです。
本を読んでこんなに興奮すること、なかなかない。本当にオススメの作品です。



そういえば、2006年に伯父に東野圭吾『白夜行』をオススメされたときも「いやドラマ見たし…あれ分厚いやん…」*2みたいなリアクションを返したら「分厚いけど、それを感じさせんくらい一気に読めるから騙されたと思って読んでみり!すごく面白いっちゃ!」と熱く勧められて、「読書家のおじちゃまがそんなに言うなら…」といやいや手に取った割に一気読みで、読後は大興奮だったなあ、と思い出しました。笑


ピアノ関係者が読んでも素晴らしかった


大体、音楽ものの作品って良し悪しがあって、
音楽をやってる人が読むと、音楽を表す言葉の表現がいやらしく感じて鼻についたり、
曲目のレベルがバラバラで訳わかんなかったりすることがあるのですが、
『蜜蜂と遠雷』に関しては文句なく素晴らしい作品だった。

表現がまったくいやらしくないどころか、瑞々しくて、「実際に聴きたい!」と思わせる力がある。
課題曲を見ていても「こんなコンクールありそう!」という感じ。

担当編集者より

「構想12年、取材11年、執筆7年」とは『蜜蜂と遠雷』のプレスリリースや新聞広告で使ったフレーズで、恩田陸さんの担当歴20年以上になる私にとっても半分以上の年月この作品に携わり、3分の1の年月、月刊連載原稿の催促を続けていたことになります。

長く一つの作品にかかわるといろいろなことがあるわけで、その最大が3年に1回、開催される浜松国際ピアノコンクールへの4度もの取材です。ふつうは4度も取材しません。取材といってもバックステージを観察するようなことはほとんどなく毎日、会場の座席に身を沈め朝9時から夕方まで審査員でもないのにひたすらピアノ演奏を聴き続けるだけです。2回目以降、毎度「先生また行きたいんですか!?」と呆れたふりをしながらも、じつは無類のクラシック音楽好きの私は、しめしめとひじょうに楽しみにしていました。まさに役得です。
心震える話題作!!映画 『蜜蜂と遠雷』(恩田陸)をもっと知りたい!原作、音楽、読者の感動の声ほか|特設ページ - 幻冬舎plus

この長く、熱心な研究と、恩田陸さんの感受性そのものが素晴らしいのでしょう。
読んでて感じたのだけれど、同じ音楽を聴いても、全員が全員こんな風には感じられないだろうな、と思うの。

また、なんと言っても、キャラクターが全員魅力的
天才少女としてデビューするも母の死後ピアノから長らく遠ざかってしまっていた栄伝亜夜、ジュリアード音楽院の貴公子マサル・カルロス・レヴィ・アナトール、同じくジュリアード音楽院に通う自信家で「女ラン・ラン」とも評されるジェニファ・チャン、妻子がおりサラリーマンとして働きながらもピアノを続けている28歳の高島明石などなど。
そして、なんと言っても故ホフマン先生の秘蔵っ子であり、奇才な演奏を披露して、審査員たちの物議を醸す16歳の風間塵。

よく言われることだが、審査員は審査するほうでありながら、審査されている。審査することによって、その人の音楽性や音楽に対する姿勢を露呈してしまうのだ。
恩田陸『蜜蜂と遠雷』より

風間塵の存在が、物語を一層面白く引き立てていることは間違いない。風間塵をどう評価するか、審査員たちが故ホフマンに試されて翻弄されているところが、とても面白い。

私の中で塵くんは、『マギ』のアラジンみたいなイメージ。いつも心がオープンで、感じたままにまっすぐで、何も持っていなさそうに見えるのに、どこか絶対的な力がある感じ。
http://livedoor.blogimg.jp/ss05836xxx/imgs/b/1/b14f797f.jpg
引用: 宇宙の栞。:【感想】マギ*2巻


CDも出ているらしい

生徒さんの保護者から教えてもらったのですが、CDも公式で発売されているみたいです。

全51曲が収録されたCD8枚組に、恩田陸さんの書き下ろし短編とブックレットがついて4,000円ならかなりお得なのでは。
ちなみにMP3ダウンロードだと3,000円みたい。

気になって演奏者を調べて見たけれど、
ポリーニ、アシュケナージ、アルゲリッチ、ユジャ・ワンなど… ちゃんとした著名なピアニストたちばかり。
風間塵の演奏を誰が担当してるか特に気になったんだけど、ドビュッシーの1番の練習曲は内田光子さん、バッハの平均律1番はポリーニ、ショパンのスケルツォ 第3番はポゴレリッチ、サティのジュ・トゥ・ヴ(きみが欲しい)はロジェ…といった具合らしい。ますます気になる!


電子書籍で読了


普段は紙書籍派だし、電子書籍は目が疲れるから絶対だめ!!というタイプの私なのですが、ここ最近目の調子が良かったのと、電子書籍がお買い得だったので、本作はつい電子書籍で購入してしまいました。

電子書籍だったから読むまでに躊躇してたというのもあるのだけど(目が悪化しないか心配だった)、幸い問題ありませんでした。

この作品に限っては、分厚くて持ち運ぶには重いし、
眼精疲労 vs 肩こり という感じですね(笑)

わたしは外出先やお風呂の中、寝る前などに読みたいので、目の調子が良い限りは持ち運べる電子書籍が合ってたみたいです。

ただ、今回は「honto」というショップで購入したということもあって、まだKindle端末は持っていません。
期間限定半額セールをしていたので、つい電子書籍版を買ってしまったという説もある…(笑)

ボリュームのある『蜜蜂と遠雷』を電子書籍で読めたことで自信がついたので、近いうちにKindle Paperwhiteを購入しようと思っています꒰✩’ω`ૢ✩꒱💕

あと、『蜜蜂と遠雷』を電子書籍で読むのをオススメしたい理由がもうひとつあって、紙書籍版の二段組と違って、電子書籍版だと、普通の他の小説と同じように一段構成で読めるんです。

私は iPad mini 2 と iPhone7 Plus を同期しながら読んだのですが、普通の単行本を読んでいる感覚で読めました。

▼見にくいですが、こんな感じ。

「二段組でも全然気にならないよ^^」という方は問題ないのですが、二段組とページ数に一瞬慄く私のようなタイプの方と、持ち運ぶときの重量が気になる方には電子書籍で読むのがオススメです。笑


久しぶりに小説でこんなに感動した

とにかく何度でも言うけど、近年読んだ中でも抜群の面白さでした。
間違いなく、私が2018年に読んだ作品でも上位であると思います。まだ今年始まってそんなに経ってないけど、たぶん一位になるんじゃないかな(笑)

音楽をしてる人にも、音楽をしていない人にもオススメです!!



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*1:最近、読書する習慣から遠のいてしまっていたので。

*2:東野圭吾『白夜行』は、文庫本なのに900ページ近くある。